中国 「止まれ!」と6回連続で指示も完全無効

中国・ファーウェイ系EVで異常動作 指示と逆の動きで児童を挟みかける

2026/05/09
更新: 2026/05/09

最近、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)が関わる電気自動車(EV)で、「開く(後ろへ倒して)」と指示した座席が逆方向に動き、座席に座っていた子供を挟みかけるトラブルが起きた。

さらに、車主が「止まれ」と何度叫んでもシステムは反応せず、車両の安全性に疑問の声が広がっている。

問題となったのは、ファーウェイ系の車載システム「鴻蒙智行」を搭載した高級EV「享界S9」。父親が展示車で、助手席を「無重力モード(フルリクライニング)」にしようと音声操作を試した。

父親が、車内AIアシスタント「小芸(シャオイー)」に対し、「小芸、助手席を倒して無重力モードにして(ほぼフルリクライニングに近いリラックス姿勢)」と指示すると、車内AIは「座席を展開するでよろしいでしょうか」と返答。

父親は「そうです、展開して」とさらに指示した。しかし次の瞬間、座席は「後ろに倒れる」どころか、逆に「助手席を折りたたみます」というAI音声とともに、前方へ倒れる動きを始めた。

助手席には幼い子供が座っていたが、上半身を前に折り曲げるように前へ倒す動きをし始めた。

異変に気づいた父親は、慌てて「停止! 停止!」と大声で2回連続して指示したが、システムはまったく反応しなかった。

父親は音声操作で止めるのをあきらめ、「早く(出ろ)!早く(出ろ)!」とせかしながら、子供を車の外へ押し出し脱出させた。

子供が脱出した後も、あきらめきれない父親は「止まれ! 止まれ!」と繰り返し叫び続けたが、AI側は「現在の状態では停止できません」と返答するだけだった。

父親は最後に「無重力モード停止して!」と再び指示したが、それでもシステムは動きを止めず、「現在の状態では停止できません」というAI音声を繰り返し流しながら、そのまま完全に折りたたまれるまで動き続けた。

「もし子供の脱出が少しでも遅れていたら」と思うと背筋が寒くなる場面だった。

児童の安全に関わる問題であるとともに、「止まれ!」の音声指示が6回連続で叫ばれたにもかかわらず無効だったことへの衝撃から、この動画は中国SNSで一気に拡散し、車両の安全性に疑問の声が噴出した。

怒涛の世論を受け、ファーウェイ側は「座席には挟み込み防止機能があり、一定以上の力(約20キロ超)を検知すると停止する」と説明。「今回のケースでは子供の体重が軽く、センサー条件に達しなかった」と釈明した。

しかしネット上では、「『展開』と言って逆方向に動いた件には触れていない」「父親が何度も『停止!停止!』と叫んだのに反応しなかった件にも触れていない」「問題になったのはS9の助手席なのに、公式説明では別車種の後部座席の話にすり替わっている」といった疑問と批判の声が続いている。

ファーウェイ系EVをめぐっては、これまでも死亡事故や炎上事故などが繰り返し報じられてきた。しかし中国では、ファーウェイは当局が強く後押しする「愛国ハイテク企業」で、ファーウェイ製品の不具合や事故をめぐる動画や批判投稿は検閲されるケースが多い。

国産EVでトラブルや事故が起こるたび、華人圏のネット上では「中国でEVを買うなら絶対テスラ(アメリカ製)だ。少しでも問題が起きれば国を挙げて対応してくれる。しかし国産メーカー相手では、問題を提起した自分ごと消される」「国産EVでは、事故より口封じの方が怖い」といった声が、毎回のようにコメント欄に並ぶ。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!