防災庁が発足 細野防災相が備蓄・避難準備を要請 地震予知情報の存在は否定

2026/11/02
更新: 2026/11/02

政府は11月2日、頻発・激甚化する自然災害への対応を強化するため、新たな司令塔となる防災庁を発足させた。細野豪志防災担当相は同日、国民に向けた「緊急要請」を発表し、水や食料、非常用トイレの備蓄や、ハザードマップの確認などを呼びかけた。要請を巡り、地震の予知情報を入手しているのではないかとの憶測が広がったことについては、明確に否定した。

細野氏はそうした予知情報は存在せず「今の科学技術では、確度の高い地震の予知を行うことはできない」と説明。今回の要請は、地震の発生が間近に迫っていることを示す特別な情報に基づくものではないと強調した。

政府が運用する地震防災情報には、南海トラフ地震に関する「臨時情報」がある。南海トラフの震源域の一部で大規模な地震が発生した場合などに、残る領域で巨大地震が発生する可能性を踏まえ、警戒を呼びかける制度である。細野氏は、現時点でこうした巨大地震に関連する異常現象が発生しているわけではないとし、今回の要請と地震の直前予知を区別した。

備えを求める背景には、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模災害が、いつ発生してもおかしくないとの危機感がある。

南海トラフ地震は、今後30年以内に発生する確率が60~90%と試算されている。広大な震源域で地震が連動し、広範囲に被害が及ぶ恐れもある。首都直下地震についても、発生時期は特定できないものの、首都機能の維持や広域的な被害の軽減に向けた備えが求められている。

防災庁は「日本の防災をかえていく」をスローガンに掲げ、行政や企業、研究機関、地域社会などの力を結集する。災害への事前の備えから発生後の対応、復旧・復興までを一体的に進め、被災者に寄り添った支援体制の構築を目指す。

一方、大規模災害の直後には、行政による救助や物資の供給が、すべての被災者に直ちに行き届くとは限らない。細野氏は、行政が担う「公助」を強化するとともに、国民一人ひとりが自らの命と生活を守る「自助」が重要だと訴えた。

家庭での対策として、水や食料に加え、非常用トイレの備蓄を呼びかけた。大規模災害では断水やトイレの使用制限が生じる可能性があり、避難所だけでなく、自宅で避難生活を送る場合にも衛生環境を維持するための準備が必要となる。

また、自宅や職場周辺のハザードマップを確認し、浸水や土砂災害、地震による揺れなどの危険性を把握するよう求めた。災害時に適切な避難行動を取れるよう、地域の危険箇所や避難先も、あらかじめ確認しておく必要がある。

避難が必要になった際にすぐ持ち出せるよう、必要な物資をまとめた非常持出袋や防災ポーチを準備し、内容を点検することも呼びかけている。

今回の緊急要請は、特定の地震の発生予測に基づく警告ではなく、発生時期が分からない巨大災害への備えを促すものである。細野氏は、公的支援が届くまでに時間を要する可能性を踏まえ、平時から各家庭で備蓄や避難準備を進めるよう求めた。

防災庁は「ともに考え、ともに備え、ともに守る」社会を目指し、行政の支援体制の強化と国民一人ひとりの備えを組み合わせ、災害による被害の軽減につなげる方針である。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます