2024米大統領選 トランプ次期大統領が返り咲きを果たし、地域戦争に取り組む中、米国の外交政策は今後数か月でいくつかの変化を経験するだろう

トランプ第二次政権がもたらすアメリカの外交政策の転換

2024/11/07
更新: 2024/11/07

トランプ次期大統領の2期政権は、アメリカの外交政策に大きな変化をもたらすと予想している。ヨーロッパや中東での戦争から、インド太平洋地域での中国共産党(中共)政権との対立まで、トランプ氏はアメリカの外交手法を根本的に見直す方針を約束している。

トランプ政権の外交アプローチに懸念を示す声がワシントンの外交政策界にはあるが、一部の専門家は、世界的な武力紛争の縮小を期待し、同盟国と敵対国の双方に対して断固とした姿勢を示すことで、平和の維持に寄与する可能性があると見ている。

インド太平洋地域で中国を睨みつけ

第2次トランプ政権が取り組むべき最も差し迫った脅威の一つは、挑発的な行動を強める中国だ。中共は近年、アメリカの国益を損なう行動を世界各地で繰り返してきた。

これに対処するため、トランプ氏は日本や韓国、フィリピンなどと同盟関係を強化するとともに、中共による侵略から台湾を守る決意を明確にする意向である。

元国防総省サイバーセキュリティ政策担当ディレクターのジョン・ミルズ氏は大紀元に、トランプ政権の明確な政策が同盟国にとって歓迎されるだろうと述べ、「これらの国々はトランプ氏の政策の明快さと誠実さを評価している」と語った。

また、ミルズ氏は、この明確さが中国との軍事的な衝突を防ぐ役割を果たすとし、「トランプ政権下では西太平洋での紛争の可能性は大幅に低下する」と述べた。その理由について「彼が常に明確さと決意を示しているからだ。明確さと決意は戦争を防ぐ。逆に、それが欠けると戦争が生まれる」と説明した。

同氏は、中共当局は「責任を問われることを知っている」ため、バイデン政権下よりも、トランプ2期目政権の下で、アメリカに対して公然と敵対行為を行う可能性は低いと指摘した。

グローバルリスクとインテリジェンスの顧問会社「ブラックオプス・パートナーズ」のCEOであるケイシー・フレミング氏も、トランプ政権のもとで中共は露骨な攻撃的行動を抑える可能性が高いと語った。

「トランプ政権が中共に警告を発し、アジア太平洋地域や世界全体での攻撃的行動に対抗するだろう」と述べた。

ウクライナ戦争に立ち向かう

トランプ氏は第1期政権中、ヨーロッパの同盟国に対して厳しい姿勢を取ったことでも知られる。特に、アメリカがNATOに他の加盟国よりも多くの資金を拠出していることを理由に、頻繁にNATOからの離脱を示唆していた。ロシアのウクライナ侵攻を受けて、NATOの加盟国の多くはトランプ氏が援助してくれないという懸念から、防衛費を大幅に増額してきた。

トランプ氏はまた、ウクライナ戦争の早期終結を選挙公約の主要な柱とし、ウクライナの勝利に必要な期間だけ支援を続けると約束しながらも、その「勝利」が何を意味するのかを明確にしてこなかったバイデン政権とは一線を画した立場を示している。

外交政策アナリストで世界政治研究所の非常勤教授であるポール・デイビス氏は「トランプ氏がウクライナへの支援を大幅に削減するとは考えにくい。彼は9月にウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領と会談しており、支援を継続する必要性を理解していると思われる」と指摘した。

また、ヨーロッパ諸国の防衛費を自力で負担する限り、第2次トランプ政権がヨーロッパのパートナーや同盟国への支援を撤回する可能性は低いと付け加えた。

同盟国は防衛費をGDPの2~4-5%に増やすことが期待されると述べ、トランプ氏の要求は「極めて合理的」としている。

中東でのイスラエル防衛

イスラエルとレバノンやガザ地区、イエメンにおけるイラン系武装勢力との紛争が強まっている中、新政権は中東地域の不安定な情勢に直面することになる。

トランプ氏の再選による新政権は、中東地域の不安定な情勢に直面する。イスラエルがレバノンやガザ地区、イエメンにおけるイラン系武装勢力への攻撃を強化している状況である。

トランプ氏は以前からイスラエルへの強い支持を繰り返し表明しており、アメリカがイスラエルに対して全面的な支援を行うよう全力を尽くすとみられている。イスラエルのネタニヤフ首相は、選挙直後にトランプ氏と電話会談し、イラン問題について協議したと伝えられている。

デイビス氏も「トランプ氏はイスラエルがアメリカの支援下にあることを世界に明確にするだろう」と述べた。

このように、トランプ2期政権は、対中政策の強化、同盟国に対する防衛支出の増加要請、そしてイスラエルへの支援強化など、複数の側面で外交政策の転換を図ることが予想されている。

 

エポックタイムズ特派員。専門は安全保障と軍事。ノリッジ大学で軍事史の修士号を取得。
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