2024米大統領選 トランプ氏は18~29歳の46%支持を獲得

【プレミアム報道】トランプ氏勝利の要因とは? 年齢層と人種から見るトランプ・ハリス支持層の変化

2024/11/07
更新: 2024/11/07

トランプ次期大統領は、ほぼ全ての年齢層や人種で支持を拡大しており、特に18~29歳までのZ世代での支持率増加が顕著である。

全国調査「AP VOTECAST」によると、ハリス副大統領が若年層からの支持を集めてはいるが、トランプ氏ほどではない。トランプ氏は若年層の支持率を36%(2020年)から46%(2024年)に伸ばした。この増加はトランプ第一次政権下で共和党に移った男性たちによって推進されている。

さらに、トランプ氏は黒人有権者の支持を8%から15%と約2倍に増加させ、ヒスパニック層でも35%から41%に向上した。これらの層からの票はそれぞれ全体の3%と8%を占めているにすぎないが、若年層では合計15%と大きな割合を占めている。

ハリス氏は、恋愛やアドバイスなど若い女性の問題に焦点を当てたポッドキャスト「Call Her Daddy」のインタビューに応じるなどして、若年の有権者にアピールしようとしたが、十分な効果は得られなかった模様だ。

米世論調査機関「ラスムセン社」のマーク・ミッチェル最高経営責任者(CEO)は、エポックタイムズに「(2016~2024年までの)3回の選挙サイクルでわかるのは、若い有権者の全般的な右傾化だ」と語った。

有権者全体にとって最大の関心事は経済だった。バイデン・ハリス政権下でのインフレによる実質所得の減少は、若者にも影響を及ぼしている。

「AP VOTECAST」の調査によると、約5人に2人が経済を最重要課題とし、特に勝敗を左右する激戦州であるジョージア、ミシガン、ペンシルベニア、ネバダではその割合がさらに高かった。

2020年には主にコロナ禍の影響が投票行動に影響を与えたが、今回の選挙では経済が最も大きな焦点となった。トランプ氏は税金なしのチップ収入や残業代、社会保障の税免除などを掲げ、選挙戦に臨んだ。特にチップ収入に依存するホスピタリティ業界で働く30歳未満の若年層に響いた可能性がある。

さらに、トランプ氏はエネルギー生産の増加によって消費者価格の抑制を目指すとも公言している。

5日、アリゾナ州テンピのアリゾナ州立大学で、開票前の列に並ぶ有権者に水を配る人。トランプ次期大統領の得票率15%を占めた若年層。(Mario Tama/Getty Images)

一方で、ハリス氏の経済対策、例えば食料品価格の不当な値上げを禁止する措置や、新規住宅購入者に対する2万5000ドルの頭金補助などは、若年層の支持獲得には不十分だったようだ。米国の中位住宅価格が42万ドルを超え、住宅ローンの平均金利が6.7%に達している現状では、住宅購入が2万5000ドルの補助だけでは難しいと感じている若年層も多いと考えられる。

全ての年齢層で、経済問題に関してはトランプ氏がより強いリーダーシップを発揮できるとの見方が4~9ポイントの差で上回った。

一方、大学教育を受けた有権者の間では、トランプ氏の支持率は2020年と同じ41%で、平行線をたどっている。また、45歳以上の女性層でも支持は横ばいで、47%にとどまった。郊外に住む女性層ではわずかに向上し、41%の支持を得た。

しかし、18~44歳の女性の間で、トランプ氏の支持率は37%(2020年)から43%(2024年)に増加しており、ハリス氏の中絶権利を中心とした政策が十分な支持を得られなかったことがうかがえる。

6日、トランプ支持者がホワイトハウスの外で巨大な旗を振っている。ドナルド・トランプ前大統領は11月6日、2024年の大統領選挙で圧勝した。(Daniel Slim/AFP via Getty Images)

中絶問題を最重要課題と捉えた有権者は11%に過ぎなかった。

出口調査では、中絶を各州に委ねるとのトランプ氏の立場が彼にとって有利に働いたとみられる。トランプ氏は、中絶は全面的または大抵の場合違法であるべきだと考える人々の間で支持を維持しただけでなく、大抵の場合中絶は合法であるべきだと考える人々の間でも支持率を大幅に伸ばし、4年前の30%から49%に上昇した。

一方で、中絶はいかなる場合でも合法であるべきだと考える人々の間では、トランプ氏の支持率は2020年から8ポイント減少した。

新たな有権者の中でトランプ氏は大きな支持を得ており、新規有権者の56%がトランプ氏に投票した。年収3~5万ドルの中間層では、支持率が10ポイント上昇した一方で、10万ドルから20万ドルの所得層では11ポイント減少した。

ヒスパニック層の中では、18~29歳、45~64歳の年齢層および男性層で特に支持が増加し、それぞれ2020年から19ポイント上昇。男性全体では55%と過半数を獲得している。

また、父親の世代や退役軍人の間での支持も11ポイント上昇し、それぞれ60%と65%の支持を得た点も注目すべきである。

Petr Svab
ニューヨーク担当記者。以前は政治、経済、教育、法執行機関など国内のトピックを担当。
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