中国経済が悪化の一途をたどるなか、国内の飲食業で閉店の波が押し寄せている。
9月26日、浙江省杭州市の有名創作料理レストラン・チェーンの「山葵家(WASABIYA)」が、一夜にして市内で展開していた十数店舗の全店を閉鎖したことがわかった。「社長がお金を持ち逃げした」ことが閉店のきっかけとされている。
あまり急すぎる閉店にびっくりし、「チャージしたお金をまだ使い切っていないのに」と困惑するお客さんも少なくない。
中国メディアは「山葵家」の従業員らに取材をし、「数か月前から給料をもらっておらず、一部店ではテナント料をや仕入れ業者への支払いも滞納していた」と伝えている。
「山葵家」のシェフである小天さんの場合、「何の通知もなかったから、突然の閉店にびっくりしている」と語る。
「自分は給料を2か月以上(計日本円で約20万円ほど)もらっていない、店長なんかは5か月以上も給料もらってない、店の皿洗いのバイトもみな給料もらえていなかった」
「いま、杭州市にあるチェーン店はすべて閉鎖された。私を含め、従業員数百人が抗議しようと本部へ行ってきたが、そこはもぬけの殻だったよ」と小天さんは訴えた。
また、「山葵家」の杭州市の十数店のチェーン店に肉製品を卸してきたというサプライヤーによれば、「近頃は支払いを滞納されている、滞納された金額は100万元(約2千万円)近くに上る」と話す。
「9月25日の朝に各店舗へ配達しに行った際には正常な営業状態だった、その時は列に並ぶ食事客の姿もあった。しかし、翌日になると杭州市内のすべての店が閉鎖された。あれほど杭州で長年かけて築いてきたブランドなのに、この閉店速度は信じられない」と同サプライヤーは嘆いている。
複数の中国メディアによると、杭州に限らず、西安(陝西省)や福州(福建省)、重慶市、紹興(浙江省)などで展開していたチェーン店も閉店、あるいは「一時閉店」の状態になっており、下ろされたシャッターには「設備メンテナンスに伴う一時閉店」などの張り紙が張り出されているが、電話しても通じないという。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。