高市首相は本日19日夕方、記者会見に臨み、1月23日召集の通常国会冒頭で衆議院解散を正式表明する予定だ。就任から約3カ月という短期間での決断であり、1月の解散は1990年以来36年ぶりの異例の事態となる。この決定は「1月27日公示、2月8日投開票」という戦後最短級の強行日程となる見通しだ。
首相はこれまで、自民党の鈴木俊一幹事長や日本維新の会の吉村洋文代表に対し、早期解散の意向を伝達してきた。本日の会見では、なぜ今解散が必要なのか、その「大義」について自らの言葉で国民に説明する見通しだ。
解散の背景と狙い:高支持率を背景とした「攻め」
今回の解散判断の背景には、以下の3つの戦略的意図があると分析できる。
政権基盤の強化
参議院で与党が過半数を割り込む「ねじれ」に近い状況の中、衆院選で圧勝することで、自身の看板政策である「責任ある積極財政」や安全保障政策の推進力を高めたい考え。
外交成果の活用
日米首脳会談を皮切りに続いた積極的な外交、最近では、13日に行われた韓国・李在明(イ・ジェミョン)大統領との地元・奈良での首脳会談、16日に行われたイタリア・メローニ首相との日伊関係の「特別な戦略的パートナーシップ」への格上げなど、積極的な外交が内閣支持率(70%超との報道も)を押し上げており、この「追い風」を逃さない狙いがある。
野党の準備不足
立憲民主党と公明党による新党「中道改革連合」の結成や、野党間の候補者調整が整う前に選挙に持ち込む側面も指摘されている。
主な争点とリスク
選挙戦では、以下の点が激しい論争の的となることが予想される。
自維連立の是非
自民党と日本維新の会による新たな連立枠組みが、国民にどのように評価されるかが最大の焦点となる。
予算成立への影響
2月投開票となれば、令和8年度予算案の年度内成立が極めて困難になる。野党側は「予算を人質に取った大義なき解散」「国民生活を軽視している」と強く批判しており、経済への影響が懸念される。
経済政策
高市首相が掲げる積極的な財政出動と、物価高対策の実効性が問われる。
高市政権の対中姿勢
高市首相は、歴代政権が維持してきた慎重な対中外交(いわゆる「戦略的曖昧さ」)を、冷静な対応を維持しつつ、より明確で強硬な姿勢へとシフトさせている。有権者は、この「強い姿勢」を評価するのか、あるいは「リスク」と捉えるのかを判断することになる。
評価の分かれ目は 「抑止力を高めるために必要だ」という支持層の評価に対し、野党や一部有識者からは「中国を過度に刺激し、かえって衝突のリスクを高める」という批判がある。高市政権のこの姿勢が「国益にかなう明確な姿勢」か「危うい挑発」かが問われる。
また、高市首相が長年主導してきた「経済安全保障」の強化は、事実上の対中リスク管理だ。半導体などのサプライチェーンから中国を排除する動きは、安保面では歓迎される一方、中国ビジネスに依存する国内製造業や輸出企業にとっては死活問題だ。「安全保障と経済的利益のバランス」をどう取るべきか、産業界を含めた評価が問われる。
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