2026衆議院選挙 補正依存からの脱却と複数年度コミットメントへ

高市首相 予算編成の「抜本改革」を宣言

2026/01/21
更新: 2026/01/21

2026年1月19日、高市早苗首相は衆議院解散を表明した記者会見において、国家予算の編成手法を根本から見直す「予算編成改革」を断行する方針を明らかにした。

現行の「補正予算ありき」の財政運営に終止符を打ち、民間投資を誘発する「予見可能性の高い財政」への転換を訴える内容だ。

発言の要旨:三つの柱

高市首相が掲げた改革の骨子は、大きく分けて以下の三点に集約される。

「補正予算依存」からの脱却

毎年度、巨額の補正予算が組まれることを前提としたこれまでの慣例を否定した。必要な予算は当初予算に計上することを原則とし、財政の健全性と透明性を高める。

複数年度の財政出動コミットメント

単年度主義の弊害を是正し、成果管理を条件とした複数年度にわたる支出を保証する仕組みを構築する。

民間投資の予見可能性向上

「危機管理投資」や「成長投資」における政府の支出見通しを明確にすることで、企業が安心して設備投資や研究開発に踏み切れる環境を整備する。

なぜ今、予算改革なのか

今回の改革宣言の背景には、近年の日本財政が抱える「予算の形骸化」への強い危機感がある。

「15ヶ月予算」の常態化

近年、当初予算を抑える一方で、秋から冬にかけて数兆〜数十兆円規模の補正予算を組むことが常態化していた。これが財政規律を緩め、場当たり的な支出を招いているとの批判が根強かった。

民間投資の停滞

企業の現場からは、「単年度で予算が切れるため、長期的なプロジェクトに着手しにくい」という声が多く上がっていた。特にGX(グリーントランスフォーメーション)や防衛産業、半導体などの戦略分野では、数年単位の投資計画が不可欠である。

2年がかりの「大改革」

高市首相自ら「2年の時間を要する大改革」と認める通り、この方針の実現には高いハードルが予想される。

1. 夏の概算要求に向けた「シーリング」の刷新

令和8年度(2026年度)予算はすでに概算要求が終了しているため、改革の本番は令和9年度(2027年度)予算からとなる。今年の夏、各省庁に提示される「概算要求基準(シーリング)」において、どれだけ踏み込んだ重点配分と無駄の削減を両立できるかが最初の試金石となる。

2. 「成果管理」の実効性

複数年度の支出を認める代償として、首相は「成果管理(アウトカムベースの評価)」の徹底を挙げた。官僚機構がこれを形式的な報告に留めず、厳格に運用できるかどうかが、バラマキ批判を回避する鍵となる。

3. 解散総選挙の結果による継続性

今回の発言は衆院解散の文脈で行われたものである。選挙結果を受け、高市政権が安定的な基盤を確保できなければ、この野心的な予算改革は「看板倒れ」に終わるリスクも孕んでいる。

強力な追い風

高市首相の提案は、戦後長く続いた単年度主義と補正予算頼みの財政運営にメスを入れるものである。これが実現すれば、日本の産業界にとって強力な追い風となる可能性がある。

選挙後の国会において、この「予算改革」の具体策がどこまで肉付けされるのか、その進捗が日本経済の命運を握ることになるだろう。

エポックタイムズの速報記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。