帰宅ラッシュ時に地下鉄で脱線事故 30人以上が負傷か=北京

2023/12/15
更新: 2023/12/15

北京で14日夜7時ごろ(現地時間)、同市の郊外(地上部分)を走る地下鉄の車両の連結部分が突然分離し、それによる脱線事故が発生した。事故発生時は、ちょうど通勤者の帰宅ラッシュに当たる時刻だった。

当局発表によると「30人以上が負傷。死者は出ていない」とのこと。当局が事故の詳しい原因を調べており、一部の路線で運行停止になっている。

中国メディアやSNSに流れている乗客の証言をまとめると、事故当時、車両が「ボン」という大きな音とともに急停車した。車両の一部の窓ガラスが衝撃で割れ、多くの乗客が転倒したという。事故の衝撃で車体は大きく変形し、一部の車両では停電も起きた模様。

複数の乗客は「事故の起きた車両は、後ろの車両に追突された」と証言しているが、当局の発表では「後部車両による衝突」に関しては言及されていない。

乗客たちが分離した車両の連結部分から線路に降りて、雪が降るなかを、線路に沿って徒歩で付近の駅を目指す様子などがSNSに流れている。

故障車両ではない別の車両にいた乗客によると、「車内には大勢の乗客が乗っていた。救援を待つ過程で息苦しくなったため、一部の乗客は、窓ガラスを破って空気を車内に入れていた」という。

SNSなどに投稿されている現場映像などを見る限り、事故発生後、北京の地下鉄当局は乗客の効率的な避難誘導を組織しておらず、また二次的な事故に対する予防措置も講じていなかったようだ。事故現場はほとんど「混乱状態」であり、避難も乗客の自己判断で行われている。

事故発生後、関連トピックスはSNSのホットリサーチ入りし、白熱した議論が交わされている。

「景気も悪いし、どこの政府も財政難。今後、公共施設のトラブルは増加の一途をたどるんだろうな」という不安の声から、「以前、毎年のメンテナンス費用に20億元以上かけていると言っていたが、そのお金は本当に全部メンテにかけているのか?」と官僚汚職への懸念まで噴出している。

 

(北京で2023年12月14日夜に起きた地下鉄脱線事故の様子。SNS投稿)

(北京で2023年12月14日夜に起きた地下鉄脱線事故の様子。SNS投稿)

(北京で2023年12月14日夜に起きた地下鉄脱線事故の様子。SNS投稿)

李凌
エポックタイムズ記者。主に中国関連報道を担当。大学では経済学を専攻。カウンセラー育成学校で心理カウンセリングも学んだ。中国の真実の姿を伝えます!
鳥飼聡
二松学舎大院博士課程修了(文学修士)。高校教師などを経て、エポックタイムズ入社。中国の文化、歴史、社会関係の記事を中心に執筆・編集しています。
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