中国では今もなお、全国的な範囲で「退林還耕」が行われている。
「退林還耕」とは、森林を切り開いて耕地にすることをいう。しかし中国共産党当局の指定する「耕地」とは、主食となる作物を生産する農地のことであるため、主食以外の野菜や商品作物などを作っていた場合には、当局は巨大な重機を入れてつぶし、指定する作物に強制的に換えさせるなど強引な方法をとってきた。
この政策により、村民が収入を得るため生活の拠り所としている様々な作物が、恣意的につぶされたり、果樹を伐採されるなどして、民衆の間で不満が高まっており、これまでも多くの地域で村ぐるみで反抗している。
柑株村
3月20日、海南省にある柑株村へ、警察隊や政府関係者たちがやってきていた。目的は、村民にとって重要な収入源であるビンロウジュ(檳榔樹「ヤシ科の常緑高木で薬用・染料用」)を伐採するためだ。
生計を奪われることへの強い危機感を示した村民たちは、糞水を撒くなどして村にやってきた警察や当局者に激しく抵抗した。
高齢の村民が、役人に押し倒されて負傷したのをきっかけに、村民たちは役人を数時間に及んで拘束した。負傷した村民が病院に搬送されるのを確認してようやく解放されたという。
こうして、村民たちの激しい抵抗にあったこの日、当局による伐採計画は失敗に終わった。
同じく、海南省の三亜市や海口市など他の地域でも、同様のビンロウジュ伐採が7件も起きている。
(現場の様子)
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