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中国で空き家が30億人分  「ゴーストタウン」が増加

2025/04/04
更新: 2025/04/04

中国の経済成長率は年々下方修正され、貿易の過剰生産や内需の低迷、住宅市場の冷え込み、不動産開発業者の財務困難が続く悪循環の中で、長期にわたって蓄積された不動産投機バブルが崩壊し、各省市で空き家率が高く、人が少ない「ゴーストタウン」が増加している。

中国の不動産バブルが崩壊し、住宅供給が深刻に過剰になり、多くの地域がゴーストタウンと化している。ネットユーザーが共有した動画には、高層ビルが立ち並び、人がほとんどいない様子が映し出されている。

米国の『ニュースウィーク』が3月21日に報じたところによると、中国の不動産市場は2020年頃に凍結状態に陥り、全国で約6千万~8千万戸の住宅が空き家となり、さらに数百万戸が未完成のまま残っているとのことだ。

学者たちは、ゴーストタウン現象の原因として3つの要因を挙げており、第一に供給と需要の不均衡があるとしている。

米国の経済学者黄大衛(DAVY J. Wong)氏は、「過去の中国の不動産ブームにおいて、多くの都市が過剰開発され、投資価値のない都市も多く、投機的な過熱が進んだ結果、いくつかの都市では住宅供給が実質的な需要を大きく上回り、多くの空き家が発生した」と述べている。

また、学者たちはゴーストタウン現象の原因に民間の過剰投資と政府の政策ミスも含まれると指摘している。

黄大衛氏は、「地方政府は過去の地方分税制の影響で、地方支出の大部分を負担しているが、中央政府は収入のほぼ半分を持っていく。そのため、地方政府は土地に依存せざるを得ず、不動産開発を促進し、住宅購入を奨励して、土地市場からの税収を確保しようとしている」と述べている。

大紀元のコラムニスト王赫氏は、中国共産党(中共)が過去20年間に推進した不動産の大躍進により、建設された住宅が37億人の中国人を収容できるほどに達し、すでに過剰供給の状態にあるため、大量の空き家が出現するのは避けられないと指摘している。また、パンデミック期間中の大規模な死者も影響している可能性があると述べている。

王赫氏は、「この死亡者数についてはさまざまな説があり、数億人に達する可能性があると推測されている。これにより、大量の住宅が過剰になり、空き家が増え、ゴーストタウンも出現している。

最近、多くのオンライン動画では『中国人はどこに行ったのか?』という問いが投げかけられている。北京や上海の大都市から一般的な農村に至るまで、街中にほとんど人が見当たらない状況だ。これらは、中国がパンデミックの数年間において、非常に多くの人が亡くなったことを示唆しており、ゴーストタウンの問題をさらに際立たせている」と述べている。

不動産はかつて中国経済の柱の一つであったが、中共当局が借入を抑制し、不動産業者の債務不履行を引き起こして以来、不動産市場は低迷している。住宅の過剰供給問題が深刻化する中、当局はさまざまな刺激策を打ち出している。

マサチューセッツ工科大学のテクノロジーと都市計画の副教授、サラ・ウィリアムズ氏は、『ニュースウィーク』のインタビューで次のように述べている。「中国の不動産開発は供給過剰であり、中共政府は不動産開発業者に住宅の開発を続けるよう奨励している。銀行も新しいプロジェクトに融資し、開発業者が新しい融資で古い債務を返済できるようにしている。これはポンジ・スキーム(投資詐欺の一種。 新規投資家から集めた金を既存の投資家に支払う手法)のようだ」

王赫氏は、「中共は不動産バブルの崩壊を認識しているが、各地で強制的に命令を出し、住宅市場の大幅な価格下落を許可していない。そのため、現在の中国の住宅市場では公式価格と民間価格に大きな乖離がある。問題は、中共が維持しているこの住宅市場の価格がどれくらい持続するのかだ。この安定政策のもとで、どれだけの人が投資を行い、住宅を購入し、『受け皿役』となるのだろうか?」と述べている。

中共国家統計局の前副局長、賀鏗氏は2023年9月に、中国各地で空室が30億人分あると発表した。かつては「不動産信仰」として価格が上がり続けると信じられていたが、現在は幻滅の境地に達している。