どれほど追い詰められれば、人は大金を空に投げるのか。
中国では近年、現金をばら撒く異様な出来事が各地で繰り返されている。川に投げ込まれた札束、道路に散らばる紙幣、そして今回もまた、「空から金が降る」光景が現れた。
4月14日、広東省汕頭市の住宅団地「星湖城」で、高層階から大量の現金がまかれる騒ぎが起きた。午後1時ごろ、上階のベランダに立った女性が、声がかれるほど叫びながら、500香港ドル札(約1万円)や1千香港ドル札(約2万円)を次々と下へ投げ始めた。
紙幣は風に乗って四方に広がり、地上にいた人々には、まるで空からお金が降ってくるように見えたという。団地内だけでなく、団地敷地外にまで紙幣は落ちた。それに気づいた人びとは困惑しながらも我先にと手を伸ばして奪い合う。興奮した声やざわめきが広がり、現場は一気に騒然とした。
女性は一度でやめず、部屋に戻っては紙幣を持ち出し、再び投げる行為を繰り返し、およそ20分間にわたってばら撒き続けたという。
通報を受けて警察が駆けつけ、現場の混乱は警察の対応により収束した。住宅の管理会社によると、拾われた紙幣の一部はすでに回収し、本物であることも確認している。ただ、ばら撒かれれた総額や女性の動機については明らかになっていない。
中国ではこうした「お札ばらまき事件」は珍しい出来事ではなくなっている。各地で同様の出来事が繰り返され、そのたびにニュースになるが、理由ははっきりしないケースも多い。
お金は大切なものだと教えられてきた社会で、人はなぜそれを捨てるのか。怒りか、絶望か、それとも何かを訴えるための行動なのか。今回の出来事もまた、その問いを残したままである。
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