中国で、SNSやブログ形式で労働問題や社会の現実を発信してきた独立系メディア「水瓶紀元」が、突然ネット上から姿を消した。アカウントは凍結され、記事も閲覧できなくなっている。
このアカウントは、工場のストライキや賃金トラブルなど、現場で起きている問題を継続的に記録してきた。最後の記事では深圳の労働争議を取り上げ、ネット上で大きな注目を集めていた。
しかし公開後まもなく更新は止まり、アカウントは封鎖。さらに予備アカウントも相次いで削除されたとみられる。
関係者は、今回の封鎖についてこう見る。
違法性を問題視したというよりも、報じられた内容が公式の説明と食い違い、その実態が広く知られることを当局は警戒した可能性が高いという。
中国では近年、投稿削除やアカウント凍結が急増している。特に労働問題や社会の不満を扱う内容を厳しく規制し、発信者ごと消されるケースが目立つ。
こうした状況に対し、ネット上では強い批判の声が上がっている。「火山の噴火口にふたをするようなものだ、いずれ爆発する」との声や、「問題を解決するのではなく、今回もまた、問題を指摘する人が消されただけだ」との厳しい声も出ている。
つまり今回の問題は明確だ。
都合の悪い現実を伝える声そのものが排除されている点にある。
一方で「水瓶紀元」は完全に消えたわけではない。現在は海外の配信サービス「サブスタック」に拠点を移し、発信を続けている。
だが、国内では見えなくなった現実が、消えたわけではない。
見えないまま積み重なった問題は、やがて表に出る。
そのとき、覆い隠してきた代償が問われることになる。

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