アメリカのトランプ大統領は6月29日、FOXニュースのインタビューにおいて、中国系動画投稿アプリ「TikTok（ティックトック）」の米国事業について、売却先が見つかったと明らかにした。売却先は「非常に裕福な人々のグループ」であり、詳細はおよそ2週間以内に公表する予定だと述べた。トランプ大統領は、売却には中国共産党（中共）政権の承認が必要になるが、習近平党首が承認するだろうとの見方も示した。

TikTokをめぐっては、アメリカ国内での利用者データの安全保障上の懸念が高まっており、今年1月には米国内でのサービス継続のために中国資本からの売却を義務付ける新たな法律が施行された。この法律に従わない場合、TikTokはアメリカでのサービス提供が事実上できなくなる。

しかし、売却先がなかなか決まらなかったため、トランプ大統領は大統領令によって売却期限を繰り返し延長してきた。今回の延長は3度目で、現在の売却期限は9月17日となっている。

トランプ大統領は、TikTokが若者を中心に広く利用されていることや、自身や支持者もこのサービスを利用していることから、アメリカ国内でのサービス継続を望んでいると語っている。

現時点で売却先の具体的な企業名やグループ名は明らかにされていない。トランプ大統領は「2週間以内に詳細を発表する」としており、今後の動向が注目される。