ミャンマーの国境地帯にある犯罪組織の拠点に、日本人男性2人が監禁されている可能性が高いことが明らかになった。複数の報道機関の取材によると、日本政府はタイ当局に対し、この2人の救出に向けた協力を要請したという。
この問題は、ミャンマーとタイの国境付近に存在する特殊詐欺の犯罪拠点に関連している。これらの拠点では、多くの外国人が強制的に詐欺行為に加担させられているとされる。
今年1月、これらの拠点で働かされていたとみられる日本人の男子高校生がタイ当局によって保護され、すでに日本に帰国している。今回新たに判明した2人の日本人男性は、これとは別のケースだという。
関係者の話によると、この2人の日本人男性がいるとされる拠点は、中国人グループが管理する犯罪組織の施設だとされている。しかし、2人がどのような経緯でこの拠点に来たのかなど、詳細については明らかになっていない。
日本側の救出要請を受けたタイ当局は、すでに一部の拠点を摘発し、多くの人々を解放している。しかし、引き渡された人々の受け入れ態勢が追いつかず、新たな救出活動が難航する可能性も指摘されている。
中共支配の詐欺団地「KK園区」
ミャンマー東部のタイとの国境近くに詐欺団地と呼ばれるKK園区という地域がある。この地域には30以上もの詐欺拠点が存在すると言われており、毎年約7万人もの中国人が様々な手口で騙されて連れてこられ働かされているという。
この園区は、一見すると中国の「一帯一路」プロジェクトの一環として知られているが、実際には中国共産党が背後で操る電信詐欺の拠点として機能している。
被害者は全財産を搾り取られるだけでなく、他の人々を騙すよう強要されることもある。さらに悪いことに、使い物にならないと判断された人は、臓器を摘出されるという恐ろしい運命を辿ることもあるという。
この園区の建設には、中国の国有企業が関わっている。電力や通信、物流サービスなども、すべて中国の国有企業が担当している。つまり、この詐欺園区は中国共産党の直接的な関与のもとで運営されている。
中国共産党の元副総理の息子である耿志遠という人物が、この園区の真の支配者だと言われている。彼は中国共産党の国家安全部の出身で、現在は中国ミャンマー友好協会の会長を務めている。中共党首・習近平の直接の指示を受けて、ミャンマーで統一戦線工作を担当しているとされている。
ミャンマーは独立後、アメリカが支持するASEANへの加盟を拒否し、中国共産党との協力を選択した。その結果、現在ではミャンマーの国土の半分が実際には中国共産党の影響下にあると言われている。
中国共産党がかつて支援したミャンマー共産党は1980年頃からアヘン栽培を始め、80以上のヘロイン工場を設立した。現在のミャンマーの地方武装勢力はかつて中国共産党が支援したこのミャンマー共産党の部隊だ。今では権力と金銭のゲームをやっている。
この園区では、売春、ギャンブル、麻薬に加え、電信詐欺や臓器売買まで行われており、まさに人間地獄と化している。
タイの市民団体は、ミャンマー国内の2つの拠点で合わせて25人の日本人が監禁されている可能性があると指摘しているという。事態の全容解明には時間がかかりそうだ。
日本政府は引き続き、タイ当局と協力しながら、監禁されているとみられる日本人の救出に向けて取り組んでいくとしている。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。