自民と国民の幹事長らが政策協議で合意 補正予算案に「手取り増」盛り込まれるか

2024/10/31
更新: 2024/11/01

自民国民民主両党は31日午前、幹事長・国会対策委員長会談を国会内で開き、政策協議を開始することで合意した。国民民主党が主張する手取り増に向けた減税措置などを巡り、自公と国民で議論する。

会談には、自民側は森山裕幹事長と坂本哲志国会対策委員長、国民民主側は榛葉賀津也幹事長と古川元久国会対策委員長が出席した。

会談後、国民民主の榛葉賀津也幹事長は記者団に対し、自民党が両党の政調会長による会議体の設置を要望したのに対し、国民民主としては法案および税制の案件ごとに協議する意向を示し、自民党側も了解したと語った。

政府与党は、石破茂首相が策定を指示した総合経済対策について、手取り収入を増やす政策に言及する方向で調整に入っている。国民民主党の主張を一部反映させ、財源の裏付けとなる2024年度補正予算案の年内成立へ協力を得たい狙いがある。

榛葉幹事長によると、国民民主が衆院選で公約として掲げた所得控除やガソリン税制のトリガー条項などについて、「会談では具体的な話はなかった」という。

国民は衆院選での公約で、ガソリン税を一時的に下げる「トリガー条項」の凍結解除や、年収が103万円を超えると所得税が課され手取りが伸びなくなる「103万円の壁」の解消するため「基礎控除等の合計を103万円から178万円に引き上げる」と訴えている。

林芳正官房長官は31日の記者会見で、国民民主が掲げる「103万円の壁」見直しについて、同党の主張通り所得税の基礎控除などを現行の103万円から178万円に引き上げた場合、国・地方で7~8兆円程度の減収が見込まれると指摘した。

「基礎控除等の所得控除は高所得者ほど減税の影響額が大きくなる」とも語った。納税者にとっては減税となる。高所得者ほど税負担軽減の恩恵が大きくなることも分かっており、公平性が課題になりそうだ。

また、衆議院で与党が過半数を割る状況となる中、与党は国民民主と政策ごとで協力する「部分連合」によって政権維持を図りたいところだが、部分連合の可能性について榛葉幹事長は否定した。

他の政党の動きとしては、衆院選で大幅に議席を増やした立憲民主党の野田代表は30日、日本維新の会の馬場代表や共産党の田村委員長と相次いで会談し、来月11日に召集される予定の特別国会での首相指名選挙で自身に投票するよう求めた。   

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