政府備蓄米 適正水準へ買い戻し検討 8月末の作柄踏まえ判断=農林水産相

2026/07/28
更新: 2026/07/28

鈴木農林水産相は閣議後の記者会見で、米穀の需給と価格の安定に関する基本指針の策定に向けて食料部会を開き、政府備蓄米の買い戻しについて検討を進める方針を明らかにした。市場価格への影響を避けながら、食料安全保障上の適正水準とされる100万トン程度への回復を目指す。

政府備蓄米の在庫量は現在、32万トンにとどまっている。鈴木農水相は「食料安全保障の観点から適正水準への回復を進める必要がある」と述べた。

買い戻しに当たっては、市場の流通量や在庫などの需給動向を踏まえ、価格に影響を与えないよう留意すると述べた。全国的な出穂状況が見えてくる8月15日ごろを経て、作柄がおおむね判明する8月末の状況を踏まえ、具体的な判断を行う見通し。

会見では、今後の米の需給見通しや作付動向も示された。本年6月末時点の作付意向調査によると、主食用米の作付面積は136万ヘクタールとなった。平均的な単収を前提とした生産量は732万トンに相当し、需要量の見通しである711万トンを上回る見込みだという。

これに伴い、令和9年6月末の民間在庫量は263万~281万トンになると見通されている。本年6月末時点の243万トンから、さらに増加することが予想されている。

一方、飼料用米などを含む非食用米は、生産意向が需要を下回っている。鈴木農水相は、8月20日までは営農計画書を変更できるとして「きめ細かな情報提供に努め、多様な米の需要に応じた生産を推進していきたい」と述べた。

主食用米を巡っては、需要量の見通しと実績の間に乖離も生じている。これまで691万~704万トンと見込んでいた需要量に対し、直近の実績は683万トンとなり、8万~21万トン下回った。

農水省は、米価が高い水準にある中で枠外輸入が増加したことに加え、価格の低下を期待した実需者が国産米の購入を鈍化させたことが要因だとしている。

鈴木農水相は、改正食糧法に基づく新たな届け出や定期報告を通じて流通状況の把握を強化し、需要量見通しの精度向上に取り組む方針を示した。生産現場に対しては、国が示す需要見通しだけでなく、地域の販売動向なども総合的に踏まえ、作付を検討するよう呼びかけた。

エポックタイムズの記者。東京を拠点に活動。政治、経済、社会を担当。他メディアが報道しない重要な情報を伝えます