完全無人の自動運転タクシーの普及が最も進んでいる中国・武漢市では時々、この街ならではの笑わざるを得ない「大渋滞」の原因がある。
「人間のように思いやりをもって譲りあう」ことを知らないためか、2台の無人タクシーが出会い頭で対峙し続けたり、道に落ちていた「障害物(袋)」にビビっていつまでも停止したりして大渋滞を引き起こす事例がたびたびSNSで話題になってきた。もちろん、時には交通事故も起こす。
運行開始以来、あまりにトラブルが続出しているため、武漢の人間はそれを「愛と憎しみ」をこめて「バカ大根(傻蘿蔔)」と呼んでいる。そんなあだ名の由来は無人タクシーのブランド名が「蘿蔔快跑、直訳:大根早く走れ)」だからだ。
最近また、そんな「バカ大根」の話題が熱い。
「逆走」でも、「絶対譲らない」
今月14日、武漢の「無人タクシー」が街を逆走して路線バスの停留所に入り込み、ちょうど停留所にいたバスを追い詰めて、ついには停留所から追い出した「凶悪事件」が起きた。
「こっちは絶対譲らんぞ」といわんばかりのただならぬ覇気を発しながら、終始有無を言わせぬ形相で強引に迫りくる「無人タクシー」。その勢いに押されて「勝てる見込みなし」とあきらめた路線バスのほうが妥協をすることになった。
バスは少しずつバックをして、正面にいる「厄介者」を避けて回り込み、それで進もうとしていたようだった。しかし、相手はその「意図」を汲み取ってくれる「ヤツ」ではなかったようだ。なんと、無人タクシーのほうは、バスがバックした分だけ、間髪入れずに詰めてくるのだ。
「おそらく、この突発事態にバスの運転手は車内で思いつく限りの罵り言葉を浴びせていたことだろう」
「しかし、相手が『バカ大根』だ、それではこの不運なバス運転手はケンカしたくても、相手(生身の人間)がいないのだから可哀そうに」
といった「バス運転手の心中を察する」コメントが多く寄せられている。
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