中国 北京や上海も収入だけでは支出を賄えず

美化した数字でも隠せない 中国地方財政の苦境

2026/06/02
更新: 2026/06/02

中国当局の経済統計は、かねてより信頼性に大きな疑問がある。外部が実態を確認することは難しいため、今回は公式データをもとに見ていくが、その「美化している」と指摘する数字ですら、中国各地の財政難の深刻さを浮き彫りにしている。

中国財政省の発表によると、2026年1~3月の地方政府の収入は約3兆6600億元だったのに対し、支出は約6兆5600億元に達した。単純計算では、地方政府は使ったお金の半分ほどしか自力で賄えていない。

さらに各地の財政データを見ると、北京、上海、広東省を含む28の省・直轄市でいずれも、収入だけで支出を賄えない状態になっていた。

最も状況が良かった浙江省は、収入でなんとか支出を賄える水準だったが、それでも100%には届かなかった。中国経済を支えてきた上海、江蘇省、広東省、北京などの地域も例外ではない。

背景にあるのは不動産不況だ。

中国の地方政府は長年、不動産会社への土地売却で巨額の収入を得てきた。しかし住宅販売の低迷で開発業者は土地を買わなくなり、その収入は激減している。

財政省のデータによると、地方政府の土地売却収入は1~4月に前年同期比27.2%減少した。これまで地方財政を支えてきた最大の資金源が細り続けているのである。

足りないお金は中央政府からの支援で埋めているのが現状だ。自力でやりくりできる地方は減り、中央への依存は強まっている。

専門家からは「実際の財政状況は公表の数字よりさらに悪い可能性がある」と見ている。
 

2026年1~3月期の地方財政データ。北京や上海、広東省を含む28の省・直轄市で、収入だけでは支出を賄えない状態となっていた(スクリーンショット)
李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!