中国ではいまや、どこの地方政府も深刻な財政難に直面している。役所だけでなく、各企業の経営も同様である。その影響により、公務員や学校の教師、路線バス運転手から町の清掃員に至るまで、各地で「給料未払い」の事態が常態化している。
これに対して、労働者が求めているのは賃上げではなく、すでに働いた分にあたる「正当な報酬」である。それが支給されないため、生活のために「給料の支払いを求める」スローガンを掲げて抗議をしたり、集団でストライキを決行する、といった非常手段に訴えざるを得ない労働者も少なくない。
ただし、抗議者が少数であったり、横のつながりが取れない(企業側が取らせない)職場ではそうした集団行動もできず、泣き寝入りさせられるケースも多い。
2月4日早朝、河南省商丘市の町の清掃員が数十人、雪の中、現地の財政局前で未払いになっている給料の支払いを求めて集結した。
しかし、現場にやってきた大勢の警察や警備員によって、清掃員たちが持ってきた抗議のための横断幕は奪い去られている。
関連動画はネットで拡散され、世論の関心が高まった。世論の圧力の下、現地当局は5日、未払いになっていた町の清掃員の給料について「全額支払いが行われるよう監督を行う」と発表した。
一歩前進ではあるが、本当に全額が支給されるかどうか、まだ予断を許さない。
(2月4日早朝、河南省商丘市の町の清掃員が数十人、雪の中、現地の財政局前で未払いになっている給料の支払いを求めて集結した)
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