首に鉄の鎖が巻かれ、自由を奪われ続けた「鎖の女性」が中国で発見されてから2年が経つ。今やこの女性は「中国の女性の苦難」を象徴するシンボルとなった。
このほど、「鎖の女性事件」2周年に際して、世界各地で彼女への連帯が広がり、声援の声が再び上がっている。
今月29日、中国人の歴史学者・章立凡氏は自身のSNSに「機転の利いた娘の助け方(急智救女)」と題される話を転載した。
中国公安が「迅速に動く」こともある
この話の概要は、以下の通りである。
「雲南省で16歳の娘が失踪した時のことだ。父親はとても焦っていたが、対応は冷静だった。娘は人身売買業者の手に落ちたに違いない。そう悟ったこの父親が取った行動はこうだ。父親は、娘の写真とともに、公安に通報した。『私の娘は、反共産党の地下組織にだまされて、連れていかれた』と。すると、20時間以内に、娘は救出され、4人の密売人が捕まった。この父親は、これらのクズどもの習性を徹底的に知っていたようだ」
章立凡氏は「この方法を、鉄の鎖の女性の両親が知らなかったのが残念だ」と書いた。
「機転の利いた娘の助け方」は、まさに中国共産党の「習性」をみごとに逆手に取った行動であると言わざるを得ない。
つまり「中共の体制を脅かす組織の犯行」であれば、中国の公安警察は、驚くような速さでその機能を発揮するのである。
監視大国で、なぜ見つからないのか?
「中国は防犯カメラで埋め尽くされた監視大国。それなのに、なぜ我が子は見つからないのか?」
中国の公式データによると、国内における毎年の失踪者は百万人を超えるという。通常の場合、反体制派の人物や民主活動家、あるいは地方政府の不正を中央に訴える陳情者であれば、どこにいようと中国の警察は即時に居場所を特定できる。
つまり、捜査当局が本気であれば、監視カメラが無数に設置され、市民の通信を完全に傍受している監視大国の中国で、1人の失踪者を探し出すのは決して難しいことではない。しかし、失踪者が(遺体になってからではなく)無事に発見されるケースは極めて少ないのが現状だ。
「(中国共産党の)政権維持に影響を与えない失踪者に、当局は関心がない。当局は国民の命を虫けらのようにしか思っていないのだ」。新唐人テレビ(NTD)は市民の蘭さんの話を引用して、このように伝えた。
米政府系放送局のラジオ・フリー・アジア(RFA)は2022年11月22日付の報道のなかで、在米の人権弁護士・呉紹平氏の話を引用して「中国の失踪者と臓器移植との関連」について報じている。
呉氏は「中国では、失踪者が毎年百万人を超えている。そのなかで、臓器狩り(強制臓器収奪)に関連するケースは少なくないだろう。しかし、当局がそれを公にすることはない。なぜならば、その背後には巨大な利益が絡んでいるからだ」と指摘した。
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