検索エンジン大手のグーグルは、米2024年大統領選の立候補者に関する検索結果について、民主党側に大きく偏っていることが、最新の調査で明らかになった。米国の保守派に人気の高いトランプ前大統領に対して、リベラル寄りのメディアが否定的な報道を行っていることも問題視した。
調査を行ったのはメディア監視団体「MRCフリー・スピーチ・アメリカ」。9月20~25日にかけて、次期選挙に関連する3つの検索キーワード「大統領選挙キャンペーンウェブサイト」「共和党大統領選挙キャンペーンウェブサイト」「民主党大統領選挙キャンペーンウェブサイト」のグーグル検索結果を分析した。この分析は、9月27日に行われた第2回共和党大統領予備選討論会の1週間前に行われた。
その結果「大統領選挙キャンペーンウェブサイト」の検索結果は民主党に大きく偏ったものとなり、共和党候補者のウェブサイトは誰一人として1ページ目に表示されることはなかった。
また「共和党大統領選挙キャンペーンウェブサイト」の検索でも、注目が集まるトランプ前大統領やフロリダのロン・デサンティス州知事、起業家のビベック・ラマスワミ氏などのウェブサイトは1ページ目に載ることはなかった。その代わりに民主党候補者や9月25日現在で支持率0%(モーニング・コンサルタント)の共和党候補者ウィル・ハード氏がトップページに表示された。
こうした検索結果を受けて、MRCのダン・シュナイダー副会長は「言語道断」と非難し「グーグルは地球上で最も無能な検索エンジンであるか、意図的なものかのどちらかだ。これは偶然ではない」と述べた。
一方、「民主党大統領選挙キャンペーンサイト」の検索ではバイデン大統領のサイトが1ページ目の最上部に表示された。しかし、バイデン氏の最強の挑戦者とされるロバート・ケネディ・ジュニア氏のサイトは1ページに載っていない。
MRCは「グーグルは保守派に平等な立場を提供し、憲法修正第1条を反映させる責任がある」と主張している。
共和党のテッド・クルーズ上院議員もグーグル検索結果の偏向を指摘し「あからさまな選挙妨害だ」と非難した。
リベラルな視点と批判的なトランプ報道
共和党の大統領候補者に関する検索では、共和党候補を批判的に取り上げた記事をグーグルが1ページ目に表示していることも明らかになった。
MRCは「共和党大統領選挙キャンペーンサイト」と検索すると、共和党候補を批判的に取り上げたCNNやNBC ニュース、AP通信、ポリティコの記事が1ページ目に表示されたと指摘した。
「これらのリベラルなメディアは、共和党の有力候補者であるドナルド・トランプ前大統領に対する偏見を明確に示し、彼らの視点でトランプ政権時代の論争を主に取り上げていた」
「例えば、ポリティコはトランプ大統領の『多くのスキャンダル』を持ち出し、NBCとAPは前大統領に対する最近の刑事告発を熱心に取り上げた」
8月21日付のMRC調査もリベラルメディアによるトランプ氏への過剰な報道を指摘した。
「トランプ前大統領の報道の大部分(90%)は否定的なもので、民主党検察官と司法省によるトランプ氏への起訴に焦点を当てていた」
「トランプ氏の対抗馬とされる共和党のロン・デサンティス氏に対するメディア報道も同様に悪く(78%が否定的)、トランプ氏のみならず、他の共和党候補やその保守的な政策ポジションにまで及ぶメディアの敵意を示している」
エポックタイムズはグーグルにコメントを求めたが、本記事掲載までに返答は得られなかった。
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