中国、GDP3割水増しか 米シカゴ大学の最新研究が指摘

2022/11/02
更新: 2022/11/02

人工衛星が観測した夜間の明かり「夜間光」を用いて各国の経済規模を推定する最新の研究から、中国などの権威主義国家がGDP(国内総生産)の数値を大幅に水増ししていることが明らかになった。

米シカゴ大学の研究では、184カ国の「夜間光」とGDP成長率、政治体制に関するデータを組み合わせ、各国政府が成長率を過少または過大に報告しているかどうかを推定した。一般的に、夜間光は経済の発展に伴って増加する傾向がある。

研究を主導したシカゴ大学のルイス・マルティネス助教授はボイス・オブ・アメリカ(VOA)の取材に対し、同程度の夜間光の増加が観測された国を比較した場合、権威主義国家は民主主義国家よりもGDP成長率を高めに公表する傾向があると指摘した。

「安定した民主主義政権と権威主義的な政権を比較したところ、データの差は30~35%だった。これはすなわち、実際の成長率が1%だった場合、権威主義的な政権は1.3%だったと公表することを意味する」

同研究によると、過去20年間において、中国当局はGDPを3割水増ししていたという。

中国のGDPを巡っては、以前から虚偽報告が指摘されていた。米ブルッキングス研究所は2019年の報告書で、中国は毎年GDP成長率を2%水増ししており、実際の経済規模は公式発表より12%小さいと指摘した。

また、中国・遼寧省当局は18年、「一部の幹部が昇進のために数字をいじった」とし、2011~14年の統計データ水増しを公式に認めた。

マルティネス氏は、経済データをよく見せようとする願望は全ての国にあるものの、民主主義国家ではチェック体制が機能しているため、水増し行為が抑制されていると述べた。

李沐恩
李沐恩