20日の香港株式市場では、巨額な債務を抱える中国不動産開発大手、恒大集団の株価は続落し、一時前営業日終値比19%下落した。下げ幅として2010年5月以来の大きさとなった。また、中国国内不動産市場の先行き不安を受けて、香港の不動産関連銘柄の売り注文が増加した。
恒大集団はこのほど、満期を過ぎた理財(資産運用)商品の償還や債務返済などを行うために、同社が持つ不動産や住宅物件を値引きして売却するなどで、資金調達している。
20日、香港株式市場では、同社の株価終値は1株=2.28香港ドルをつけた。前営業日比10.2%安となった。同日の取引において、恒大集団の住宅物件管理子会社の株価は同11.3%安、電動自転車部門は同2.7%安とそれぞれなった。ネットサービス関連企業「恒騰ネットワーク」も同9.5%安と大幅に下落した。
ロイター通信社は市場関係者の話を引用し、恒大集団は資金繰り難の解決策を立てていないため、同社と関連企業の株価がさらに下落する見通しだと伝えた。香港の金融会社、キャンフィールド・ファイナンシャルのアナリストはロイターに対して、同社の債務再編で大半の資産が売却されれば、同社株価は1株=1香港ドルを下回る可能性があると警告した。
恒大集団の株価急落で、恒基兆業地産(ヘンダーソンランド)を含む香港不動産開発大手の株も大量に売られた。恒基兆業地産は一時13%下落し、新鴻基地産も10%下げて、それぞれが2012年以来の安値となった。
市場関係者や投資家らは、「共同富裕」(共に豊かになる)を掲げた中国当局は今後、本土だけではなく香港の不動産市場にも統制を強化する可能性があると推測し、過剰債務を抱える企業への対処法が不透明だと指摘した。この影響で、リスク回避の売り注文が膨らんだ。
同市場では、金融株、保険株なども影響を受けて、売り注文が集中した。香港市場の主要株価指数であるハンセン指数は同3.3%下落した。下げとしては、2カ月ぶりの大きさ。香港の外国為替市場でも、香港ドルやオフショア人民元などは対ドルで下がった。
(翻訳編集・張哲)
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