中国共産党機関紙・人民日報傘下の環球時報は最近、核実験実施の可能性が高い北朝鮮に対して「中国は我慢できなくなった」と連日の批判記事を掲載している。
同紙は13日に掲載した社説において、「現在北朝鮮政権の情勢は荒波の真っ只中にいる。北朝鮮は新たな核実験に踏み切れば、米国が武力行使をする可能性がいっそう高くなる。その際、平壌(ピョンヤン)政権が生き残れるかどうかはわからない」と主張した。
また、「北京(中国当局)は平壌が核兵器開発を続けるのに対して我慢できなくなった。米中両国は多くの共通認識に達した」とし、核開発などを停止し、または完全に非核化することは「平壌にとって最良の選択だ」と指摘した。
環球日報は10日にも『北朝鮮、次のシリアになるか』、12日には『北朝鮮核問題で最後の勝負迫る、平壌やめなさい』との社説をそれぞれ掲載。記事では、北朝鮮が挑発行為を続ければ、米韓両軍が平壌に対する軍事攻撃によって金政権崩壊の可能性が高いことや、中国当局は制裁措置を強化すると示唆した。
人民日報・海外版は12日、同会員制交流サイト(SNS)微信での公式アカウント「侠客島」に載せた評論記事で、米中首脳会談で両国首脳は「政治的な決断を下し、歴史的な責任を担う必要がある」と示したことは、米中両国は朝鮮半島問題で対抗せず、協力する姿勢を明白にしたと指摘し、金正恩政権に警鍾を鳴らした。
一方、「環球時報」13日の社説に対して、中国人ネットユーザーは「環球のこの社説をみると、過去(当局が)平壌の核開発を容認していたと逆に認めたのではないか。北朝鮮の核兵器開発は中国当局が技術などを提供していた。金三胖(金氏3代目の太っちょ)を止めさせられるのは米国しかいない」とのコメントを書き込んだ。
また「以前官製メディアは、米国に理性的になれと求めていた。この数日で論調がすっかり変わった。今や、米国は軍事攻撃を構え、中国が口でけん制する。いいチームプレーだ」と冷めた目で見るユーザーもいた。
(翻訳編集・張哲)
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