中国有数の白菜産地で発覚した「ホルマリン漬け白菜」をめぐり、波紋が広がっている。台湾や韓国でも食の安全を心配する声が上がり、当局が対応に動いている。では、日本は大丈夫なのか。
中国有数の白菜産地、河北省張家口市の康保(こうほ)県で、業者が輸送中の腐敗を防ぐため、白菜をホルマリン(ホルムアルデヒド水溶液)につけて各地へ出荷していたことが、SNS投稿をきっかけに発覚した。地元当局も事実を確認し、関係者への処分と流通先の調査を進めている。
ホルマリンは、標本の保存や消毒などに使われる薬品だ。口に入れば腹痛や嘔吐を起こし、多量に摂取すれば腎臓などを傷め、命にかかわることもある。発がん性も指摘されており、食品の保存に使うことは認められていない。
しかも、こうした問題は今回が初めてではない。2012年にも中国メディアが、山東省青州市などで業者が白菜にホルマリンを吹きかけ、鮮度を保っていたと報じている。当時、ある業者は「この方法は3、4年前から使われている」「どこでもみんなそうやっている」と話していたという。
「ホルマリン漬け白菜」の問題は台湾にも波及した。不安の声を受け、台湾当局は、中国本土産の生鮮・冷蔵白菜はもともと輸入禁止で、今年も輸入記録はないと改めて説明した。
一方、より大きな不安が広がっているのが韓国だ。輸入キムチの99%を中国産が占める韓国では、輸入の一時停止を求める声も上がっている。韓国政府は、問題の白菜が韓国に入ったか中国側に確認するとともに、中国産白菜の検査を強化し、ホルムアルデヒドの有無を調べている。
では、日本はどうか。
日本では中国産白菜の輸入は禁止されていないが、今回問題となった白菜が日本に入ったとの情報は、現時点では確認されていない。
ただ、日本の食卓と中国産白菜が無関係というわけでもない。最近は日本のスーパーでも、中国産の大容量キムチを見かけるようになった。400グラムで200円前後、1キロでも300~400円台と、国産や韓国産に比べてかなり安い。
もちろん、こうした中国産キムチに今回問題となった白菜が使われているという情報はない。だが、安価な中国産の白菜加工品がすでに日本の身近な売り場に並んでいることを考えれば、今回の問題は「中国国内だけの話」とも言い切れない。
中国は野菜や加工食品など、大量の食品を海外へ輸出している。畑や出荷現場で何が行われ、それをどこまで管理できているのか。そこへの信頼が揺らげば、不安は輸出先の食卓にもそのまま広がる。
韓国がすでに検査を強化する一方、日本では今回の問題を受けた同様の動きは、現時点で確認されていない。スーパーに安価な中国産食品が当たり前に並ぶいま、この問題を「対岸の火事」で済ませていいのかが問われている。
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