中国南部・広西で台風に伴う洪水が発生し、ヘビ養殖場が破壊され約900匹が流出。コブラなど有毒種の拡散が懸念される中、咬傷被害が発生して1人が死亡した。住民の間に不安が広がっている。
台風10号に伴う大雨の影響で、広西の横州では複数のダムで水位が上昇し、危険な状態となった。下流の村や町では浸水が発生した。
このうち、あるヘビ養殖場が洪水で流され、約900匹のヘビが周辺に拡散した。また、別の養殖場でも約1千匹のコブラが流出するおそれがあり、住民の間で不安が広がっている。すでに住民がヘビにかまれる被害が報告され、このうち1人が死亡した。
洪水で養殖場崩壊 ヘビ約900匹が流出 コブラ流出の懸念も
7月4日以降、広西では広い範囲で強い雨が続き、複数のダムで越水や堤体の損傷を確認した。横州市の六藍ダムでは堤体の一部が決壊し、下流域で広範囲にわたる浸水が発生した。
今回の洪水では、道路の寸断や停電、食料不足といった影響に加え、養殖場からのヘビの流出が新たな課題となっている。
中国メディアの『中国新聞週刊』や『瀟湘晨報』によると、7月6日午前、横州市雲表鎮鄧圩村の養殖場が洪水で破壊された。村の関係者は、逃げ出したヘビは約800〜900匹に上るとの見方を示している。
流出したヘビにはコブラやキングスネーク、水律蛇などが含まれている。雲表鎮では低地や山の斜面に複数の養殖場が存在している。
また、インターネット上では洪水の中でヘビが流されている様子を捉えた動画や画像が拡散した。住民が2階に避難している際、浸水した階段を伝ってコブラが屋内に入り込む様子も確認している。
さらに、別の地域でも約1千匹のコブラが流出するおそれがあるとして、当局が注意を呼びかけている。
咬傷被害が発生 1人死亡
『新京報』や極目新聞によると、7月6日夜、雲表鎮で40代から50代の女性がヘビにかまれた。道路の寸断や通信障害の影響で搬送に時間がかかり、病院に到着後、死亡が確認された。
また、別の住民も7日、ごみの片付け中に右手の指をヘビにかまれた。「黒色で頭が扁平だった」と話している。応急処置の後、救助隊により搬送され、医療機関で治療を受けたが、現在も腫れが残っているという。
医療機関によると、ヘビにかまれて受診したケースは複数確認している。救助隊にも同様の通報が複数寄せられており、コブラによる咬傷の可能性があるとしている。
中国最大のヘビ養殖地・広西の実態
今回の洪水は、横州のヘビ養殖産業にも影響を及ぼしている。現地では2020年以降、食用から薬用への転換を進めてきたが、今回の被害により産業全体への打撃を懸念している。
中国メディアの虎嗅網によると、広西では1980年代以降、ヘビ養殖が大規模に発展してきた。気候条件や資源に恵まれていることから、中国最大の養殖拠点となっている。
現在の飼養数は3千万匹を超え、国内の約8割を占める。また、ヘビ原料の供給地としても世界最大規模とされている。
広西ではこれまでに106種類のヘビを確認しており、横州や霊山、扶綏などが主な養殖地域である。2020年の規制以降、食用市場は縮小し、薬用向けへの転換が進んでいる。ナメラやコブラ、アマガサヘビなどが主な対象となっている。
年間生産量は、2020年の約2千万匹から、現在は3千万匹以上に増加している。
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