中国経済の低迷が、雇用にも深刻な影を落としている。
中国政府の雇用担当部門が公表した統計によると、今年1~5月の失業保険の支出は880億8千万元(約2.1兆円)となり、統計が確認できる2013年以降で過去最高を記録した。
5月だけでも172億2千万元(約4100億円)が支給され、新型コロナ対策の都市封鎖が続いた2022年5月に次ぐ高水準となった。前年同月より約14%増え、コロナ禍終了後では最多となる。
失業保険を受け取れるのは、主に企業で働き保険料を納めていた人たちだ。そのため、この数字だけで中国全体の失業者数は分からない。しかし、比較的安定した職に就いていた人まで失業が広がっている可能性を示すデータとして注目されている。
一方、中国では企業の採用縮小やリストラが続き、「仕事が見つからない」「何百社応募しても採用されない」といった声がSNSにあふれている。当局はこうした人々を「柔軟就業」と呼ぶが、その多くは配達員や日雇い、短期アルバイトなど不安定な仕事で生計を立てている。こうした「柔軟就業」は2026年には3億2千万人に達するとの予測もある。
政府は「雇用は安定している」と説明する。しかし、失業保険の支出は過去最高を更新し、不安定な働き方に追い込まれる人も増え続けている。統計の数字は、中国で安定した仕事を失う人が増えている現実を静かに映し出している。
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