アメリカの食品当局はこのほど、中国の大手飲料メーカー「娃哈哈(ワハハ)」のレモンティー飲料から、アメリカで食品への使用が認められていない人工甘味料を検出し、輸入警告を出した。
娃哈哈は、中国でミネラルウォーターやお茶、ジュースなどを販売する有名飲料ブランドで、スーパーや売店でも広く販売している大手メーカーだ。
検出されたのは人工甘味料のナトリウムシクラメート(サイクラミン酸ナトリウム)で、砂糖の約30~40倍の甘さを持つ。価格が安く、性質が安定しており、クセの少ない甘みが特徴で、飲料や蜜漬け果物、漬物、菓子など幅広い食品に使われている。一方で、長期間にわたって大量に摂取すると、肝臓や神経系への影響が懸念されている。このため、アメリカや日本などでは食品への使用を認めていないが、中国では使用量の上限を定めたうえで認可している。
娃哈哈側は中国メディアに対し、問題の商品は中国の食品安全基準に適合していると説明。そのうえで、「アメリカ向けに正式輸出した商品ではなく、販売代理店が無断で海外へ輸出したもの」と釈明した。
しかし、この説明は中国のネット上でかえって反発を招いた。
「つまり中国人向けなら問題ないということか」「問題は無断輸出ではなく、禁止されている甘味料が入っていたことでは」「アメリカには売れない商品を、中国国内では普通に販売しているのか」といった批判が相次いだ。
食品添加物の基準は国によって異なるため、中国で認めている添加物が海外で禁止しているケースは珍しくない。それでも今回、多くの消費者が違和感を覚えたのは、会社側の説明が「海外へ出したこと」が問題であり、「国内で販売していること」は問題ではないかのように受け取られたためだ。
中国では食品の安全性をめぐる不信感が根強い。今回の騒動も、単なる輸入ルールの違いではなく、「中国国内の消費者は十分に守られているのか」という疑問を改めて浮き彫りにした。
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