「仕事がなくなったら、とりあえず配達員」。中国では長くそう言われてきた。しかし今、その常識が変わろうとしている。配達員さえ不要になる時代が現実味を帯び始めた。
中国では近年、それが失業者の最後の受け皿とされてきた。しかし、その仕事さえAIに奪われようとしている。
中国ネット通販大手・JD.com(京東)の創業者、劉強東氏は6月21日、北京で開かれたビジネスフォーラムで、「将来は配達員が必要なくなる」との見通しを示した。
配送ロボットや無人配送車が普及し、物流は機械が担う時代になるという。
京東には約70万人の現場スタッフがおり、多くが配達員だ。同社はロボットの整備などを学ぶ再教育計画を進めているが、全員が新しい仕事に就ける保証はない。
中国ではすでに配達員や配車サービスの運転手に人が集中し、仕事の奪い合いが起きている。そこへAIによる自動化が進めば、雇用環境はさらに厳しくなるとの見方が強い。
専門家は、AIの普及そのものは止められないと指摘する。一方で、中国政府はAIや先端産業への投資を優先しており、失業対策は十分とは言えない状況だ。
AIによる自動化は止められない。一方で、仕事を失う人をどう支えるのか。その答えは、今も見えていない。
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