台湾陸軍は6月9日から、台中沿岸部で大規模な実弾演習を実施した。中国共産党(中共)軍による上陸作戦を想定し、これに対処する訓練だ。
今回の演習では、より実戦に即した訓練への移行が重視された。準備時間を短縮し、部隊を機動的に展開する内容となった。中共による軍事的圧力が強まるなか、台湾が防衛態勢と即応能力の強化を進める姿勢を示した。
複数のメディアによると、台湾陸軍第10軍団は台中市の大甲渓河口南北岸周辺の海岸で、2日間にわたる対上陸実弾演習を行った。演習範囲は台中周辺の海岸線約20キロに及び、8か所の拠点から同時に射撃を実施し、広範囲を制圧できる火力を示した。

初日はまず、多連装ロケットシステム「雷霆2000」が白沙屯海岸に向けて、広範囲を制圧する射撃を行った。続いて、M109A2自走砲、M110A2自走砲、榴弾砲などで重要地点への砲撃を実施した。上陸した敵部隊の侵攻を阻み、戦力を低下させる想定だった。その後、TOW対戦車ミサイル車両や迫撃砲を用い、侵攻部隊に対する制圧射撃を続けた。




2日目の演習では、注目されるM142高機動ロケット砲システム「ハイマース」が西海岸で初めて演習に参加した。このほか、155ミリ榴弾砲、M109A2自走砲、M110A2自走砲なども投入された。演習を通じて、新型兵器の精密打撃能力や、離れた地域への迅速な展開能力、実戦を想定した訓練の成果が示された。

第10軍団は、今回の射撃訓練について、敵の水陸両用部隊が中部地域に侵攻する事態を想定したものだと説明した。実戦的な訓練を通じて、統合火力の運用能力や、探知から攻撃までの一連の攻撃体制、いわゆるキルチェーン(戦闘や軍事作戦における攻撃のプロセスを体系化したもの)の有効性を検証することが目的だという。
台湾の国家中山科学研究院が開発した多連装ロケットシステム「雷霆2000」が、前線を想定した地域で実弾射撃を行うのは7年ぶりとなる。今回、3両の発射車から計180発のMK15訓練弾が発射された。










中共による言葉による攻撃と軍事的威嚇が続くなか、台湾政府は近年、国防の近代化を進めている。新型で機動性の高い兵器の導入に加え、訓練のパターン化を避けることで、部隊がより実戦に近い環境を経験できるようにしている。
今回の演習では、河口や海岸部といった沿岸地形での部隊展開能力が検証された。今後の海岸防衛任務に向け、実戦的な訓練経験を積み重ねる機会にもなった。
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