台湾の国防ドローンに中国製部品 落札業者を国家安全法違反で捜査

2026/08/19
更新: 2026/08/19

台湾軍の国防用ドローン調達を巡り、落札業者が中国本土製の部品などを使用していた疑いが浮上した。高雄の橋頭地検は国家安全法違反などの疑いで捜査を進め、航見科技の責任者、張東琳について接見禁止付きの勾留が決まった。国防用ドローンの調達を巡る国家安全法違反事件は初めて。

橋頭地検は18日、陸軍第8軍団司令部から、ドローン調達案件の請負業者が中国本土、香港、マカオ製の部品を使用した疑いがあるとの通報を受け、主任検察官の陳竹君と検察官の厳維徳が高雄市調査処を指揮して捜査を進めていると発表した。

捜査当局によると、航見科技股份有限公司は2025年、295万台湾ドルで陸軍第8軍団の「ドローン調達案件」を落札した。

同社責任者の張東琳と、協力会社の睿揚創新科技有限公司の技術責任者、羅翊祥は、中国でパッケージングされたドローン用半導体や中国製のフライトコントローラーなどを調達し、ドローンを組み立てた疑いがある。

さらに、製品表示を隠したり、虚偽の原産地証明書を提出したりして陸軍第8軍団にドローンを納入し、使用した部品がすべて入札条件を満たしていると検収担当者に信じ込ませようとした疑いも持たれている。

検察によると、陸軍第8軍団は検収の過程で、納入されたドローンに中国製部品が使用されている疑いを持ち、代金を支払わず、橋頭地検に通報した。

捜査チームは11日、航見科技など2社を捜索し、関係する証拠を押収するとともに、関係者や証人から事情を聴いた。

検察は取り調べの結果、張東琳と羅翊祥の2人について、国家安全法第11条第1項第1号、第12条第1項に違反し、中国本土で生産された製品を納入・提供した疑いのほか、刑法第339条第1項、第3項の詐欺未遂の疑いなどがあるとして、裁判所に接見禁止付きの勾留を請求した。

裁判所は張東琳について接見禁止付きの勾留を認めた。一方、羅翊祥については身柄拘束を認めず、帰宅させた。

国防用ドローンの調達を巡り、国家安全法違反などの疑いで捜査されるのは今回が初めて。

橋頭地検の郭景東検事長は、国防調達は国家安全保障や軍の戦力に関わる。業者は契約の履行にあたり、契約内容や関連法令を確実に順守しなければならないと述べた。

そのうえで、「入札案件で特定の供給元の製品使用が禁止されていることを知りながら、虚偽の書類などを使って検収を逃れようとする行為」について、法に基づき厳正に捜査し、国防調達の品質を確保するとともに、軍の戦力整備と有事への備えに支障が出ないようにするとしている。

鍾元