ソフトバンク フランスのAIに最大750億ユーロ投資 時価総額がトヨタを初めて上回る

2026/06/01
更新: 2026/06/01

日本のIT投資大手・ソフトバンクグループは、今後数年間でフランスに最大750億ユーロ(約13兆9350円)を投資し、人工知能(AI)データセンターおよび演算基盤インフラを大規模に整備する計画を発表した。この発表を受け、ソフトバンクの株価は東京株式市場で一時大幅高となり、時価総額がトヨタ自動車を上回り、日本で最も時価総額の高い企業となった。

ソフトバンクが発表した計画によれば、第1段階として約450億ユーロを投じ、フランス北部のオー=ド=フランス地域圏に複数の大型AIデータセンターを建設する。2031年までに3ギガワット(GW)超の演算能力の実現を目標とする。計画が全面的に実施された場合、フランスのAIデータセンターの総容量は5GWに達する見通しで、欧州における主要なAI演算拠点の一つとなる可能性がある。

ソフトバンクグループ会長兼最高経営責任者の孫正義氏は、人工知能は全く新たな発展段階に入りつつあり、関連インフラをいち早く整備した国が将来の科学技術・産業・社会の発展において重要な地位を占めることになると述べた。フランスは充実した産業基盤・人材・政策的支援を備えており、欧州屈指のAI産業拠点となる潜在力を有していると述べた。

フランスがAIの戦略的地位を争奪

今回のプロジェクトは、フランスのマクロン大統領が主催する2026年「Choose France(フランスを選んでください)」投資サミットの重点プロジェクトの一つに選定された。

今回の投資は、フランスおよびヨーロッパがデジタル主権の確立に向けて踏み出した重要な一歩とも位置づけられている。近年、米中両国が人工知能分野で優位をさらに拡大する中、欧州は演算能力・半導体サプライチェーン・データセンターの整備によって格差の縮小を図っている。

建設計画の一環として、ソフトバンクはフランスの電力・産業オートメーション企業シュナイダーエレクトリックと協力し、フランス北部の港湾都市ダンケルクに大型工業団地を整備し、将来のAIデータセンターの建設・運営を支援する。

AIブームが株価を押し上げ ソフトバンクの時価総額がトヨタを超える

AIへの投資ブームを背景に、ソフトバンクの株価は年初来の上昇率が70%を超えた。市場ではソフトバンクのAI分野への投資戦略が広く評価されている。半導体設計大手Arm(アーム)の支配株主であるほか、近年はOpenAIへの投資も継続的に積み増し、世界のAI産業における主要投資家の一つと見なされている。

フランスのAIインフラへの投資計画を発表した後、ソフトバンクの株価は1日の東京株式市場の取引中に一時14%上昇し、時価総額は約48兆円に達してトヨタ自動車を上回り、日本で時価総額最大の上場企業となった。この時価総額の序列逆転は、約26年ぶりの事となった。