中国 外資撤退で需要縮小

中国オフィス空室率3割迫る 上海で賃料大幅下落

2026/05/02
更新: 2026/05/02

主要都市でオフィスビルの空室が急増している。上海、北京、深圳などの大都市でも空室率は20%を超え、一部では30%近くに達している。

上海では賃料の下落が目立つ。現地の仲介業者によると、空港や高速鉄道の駅が集まり、交通の要所として発展してきた虹橋エリアのオフィス賃料は2010年頃の水準まで戻った。約188平方メートルの物件でも月額2万元(約40万円)を下回る例が出ている。保証金なしで募集するケースもあり、貸し手側が条件を大きく緩めている。

背景には、企業の需要そのものの減少がある。現地の学者は「単なる値下げではなく、借り手がいなくなっている」と指摘する。

これまで上海に拠点を置いていたアメリカ、日本、韓国企業など外資の撤退や縮小が進み、国内企業もコスト削減のため地方都市へ移転する動きが広がっている。

米不動産サービス大手のCushman & Wakefieldや、英不動産サービス大手のSavillsの2026年1〜3月期レポートによると、深圳の空室率は約29.8%、広州は約22.1%、上海は約23.4%といずれも高水準にある。北京でも賃料は前年より約2割下落し、企業側が強く価格交渉できる「借り手優位」の市場に変わっている。

この傾向は地方都市でさらに深刻だ。新しく開発されたビジネス地区では空室率が30%を超え、40%近い地域もある。オフィスを建てても入居が進まず、需要と供給が大きくずれている状態だ。

背景には、中国特有の開発モデルがある。地方政府はこれまで「土地を売る→ビルを建てる→企業を誘致する」という形で経済を拡大させてきた。しかし実際の需要を伴わないまま建設が進み、大量の空室を生んだ。

専門家は「単なる不動産不況ではなく、成長モデルそのものの行き詰まりだ」とみる。

李凌
中国出身で、日本に帰化したエポックタイムズ記者。中国関連報道を担当。大学で経済学を専攻し、中国社会・経済・人権問題を中心に取材・執筆を行う。真実と伝統を大切に、中国の真実の姿を、ありのままに、わかりやすく伝えます!