イラン軍は4月18日、ワシントンによるイラン船舶への海上封鎖が継続していることを理由に、ホルムズ海峡における「厳格な軍事監視」を再開したと発表した。これは、前日にイラン外相が表明した世界的な石油輸送の要衝である同海峡の暫定的な再開を事実上撤回するものであり、水面下で進められている繊細な和平交渉に暗雲を投げかけている。
イランのハタム・アル・アンビア中央司令部の広報官、エブラヒム・ゾルファカリ中佐は、国営IRNA通信およびプレスTVを通じて声明を発表した。同氏は、今回の措置が米海軍による封鎖の継続と、海峡の通航に関する事前の合意事項に対する度重なる違反によって引き起こされたと述べた。
「ホルムズ海峡の管理は以前の状態に戻り、この戦略的海峡は現在、軍の厳格な管理と統制下にある」
ゾルファカリ氏は、イランが当初「交渉における事前合意に基づき、善意を持って限定的な数のタンカーや商船の管理された通航を許可することに同意していた」と説明した。その一方で、現在も続く米国の海上封鎖を「海賊行為および海上窃盗」であり、停戦の約束に違反するものだと非難した。
通航に関する4つの条件
プレスTVによると、イランイスラム革命防衛隊(IRGC)海軍は17日、ホルムズ海峡を通過する船舶に対し、以下の4つの条件を提示した。
1)民間船舶はイランが指定したルートを使用すること。
2)事前に許可を得ること。
3)軍艦の通航は禁止。
4)通航はレバノンにおける停戦の維持を条件とする。
現在、イスラエルとレバノンは10日間の停戦に合意している。これは、レバノン南部を拠点にイスラエルへの攻撃を繰り返すテロ組織ヒズボラによる脅威に対処し、永続的な解決策を見出すための外交努力の一環である。
一方で、船舶追跡データによると、18日(土曜日)にはタンカーの船団がペルシャ湾を出てホルムズ海峡を通過するのが目撃された。マリン・トラフィックのデータによれば、この船団は4隻の液化石油ガス(LPG)船と複数の石油製品・化学品タンカーで構成され、さらに多くのタンカーが後に続いていた。
砲艦による発砲事件の発生
同時に、英国海運貿易オペレーション(UKMTO)は4月18日、ホルムズ海峡でイランの砲艦がタンカーに対して発砲する事件が発生したと報告した。死傷者は報告されていない。
UKMTOの通知によれば、「タンカーの船長が、IRGCの砲艦2隻に接近され、VHF(超短波無線)による警告なしに発砲を受けたと報告している」という。船体と乗組員の安全は確認されている。
また、タンカー・トラッカーズ(TankerTrackers)の報告によると、同日、2隻のインド船籍の船舶がイラン海軍によって海峡内で西側へ押し戻された。その際にも「発砲が伴っていた」という。UKMTOとタンカー・トラッカーズの報告が同一の事件を指しているのかは、現時点では不明である。
停戦に伴う「開放」の撤回
イラン軍による土曜日の発表は、わずか1日前の状況を覆すものとなった。アッバス・アラグチ外相は前日、イスラエルとレバノンの10日間の停戦期間中、商船に対して海峡を「完全に開放する」と宣言していた。ただし、アラグチ氏は船舶がテヘランの承認した「調整ルート」に従う必要があるとも付け加えており、再開が制限付きであることを示唆していた。
この動きは世界市場の懸念を和らげ、原油価格の下落を招いた。トランプ米大統領もこれを歓迎し、SNS上で、同水路が「完全に開放され、ビジネスと全面的な通航の準備が整った」とし、イランがホルムズ海峡を「二度と」閉鎖しないことに同意したと述べていた。
しかしトランプ氏は同時に、イラン関連の港湾や船舶に対する米海軍の封鎖(最近では公海上にまで拡大されている)は、イランが合意に達するまで継続するとも明言していた。
イラン当局者は後に、海峡のいかなる再開も条件的かつ厳格に管理されるべきものだと主張した。モハンマド・バゲル・ガリバフ議長はXへの投稿で、状況に関する米国の主張は「虚偽」であるとし、ワシントンによる「封鎖という形での圧力」が続くならば、ホルムズ海峡は「開放されたままにはならない」と述べた。
トランプ氏、停戦崩壊の可能性を警告
長期的な合意に至らなければ、包括的な停戦が数日以内に崩壊する可能性があるとトランプ氏は示唆している。
4月17日、大統領専用機エアフォース・ワンの機内で記者団に対し、トランプ氏は、4月22日までに合意が成立しない場合、現在の休戦を延長しない可能性があると語った。
「延長しないかもしれないが、封鎖は継続する。封鎖は解かず、残念ながら再び爆撃を開始しなければならなくなるだろう」。
一方でトランプ氏は、交渉は進展しており、近いうちに妥結する可能性があるとも述べた。米ニュースサイト「アクシオス」に対し、週末に米イラン当局者が会談し、早ければ「明日か明後日」にも合意がまとまる可能性があるとの期待を示した。
さらにトランプ氏は18日、ロイター通信の電話インタビューに対し、イランが保有する濃縮ウランを米国側で回収し、米国内へ移送させるべく(イラン側を)協力させる意向を示した。
これに対し、イラン側は濃縮ウランの引き渡し合意を否定している。外務省のバガエイ報道官は国営テレビに対し、「イランの濃縮ウランがどこかへ移送されることはない。米国への移送は選択肢にない」と断言した。
イランは約60%の純度に濃縮されたウランを900ポンド(約400キログラム)以上保有しているとみられており、核計画は依然として米イラン交渉における最大の争点の一つとなっている。
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