米軍の中東での部隊配備は明らかに強化されている。こうした中、「カーグ島を占領する」作戦構想が浮上している。
イギリスの フィナンシャル・タイムズ は3月25日、この構想の核心はイラン最大の石油輸出拠点であるカーグ島を地上作戦で掌握することにあると報じた。ここを制圧すれば、イランの原油輸出の約9割を押さえることになり、今後の交渉において極めて重要な切り札となる可能性がある。
トランプ氏は26日、トゥルース・ソーシャルへの投稿で「イラン政府の要請に基づき、本声明をもって、エネルギー施設破壊の期限を10日間延長し、2026年4月6日(月)東部時間午後8時までとすることを表明する」と述べており、今すぐの戦闘は行われることはなくなった。
これからの交渉次第では、カーグ島の攻撃は実行される可能性も否定できない。どのような作戦が想定されているのだろうか。
構想によると、米軍はまずヘリコプターやティルトローター機を使って低空で迅速に兵力を輸送し、直接島へ投入する可能性がある。上陸後は部隊を迅速に分散させ、石油・ガス施設周辺の重要拠点を確保して、まずは島の状況を掌握する。
そうなれば、イランは難しい選択を迫られる。反撃すれば自国のエネルギー施設を破壊する可能性があり、動かなければ島を事実上明け渡すことになるからだ。
兵力の準備も進められている。
CNN は24日、米国防総省が数日以内に精鋭部隊である第82空挺師団 の約1千人を中東へ前方展開させる計画だと報じた。最初の部隊は早ければ1週間以内に行動を開始し、残りの部隊は状況を見ながら展開されるという。
同時に、2つの海兵隊遠征部隊も中東へ向かっている。
一つは日本から出発した第31海兵遠征部隊で、今週末にも到着する見通し。もう一つは米カリフォルニア州から出発した第11海兵遠征部隊 で、到着までに3〜4週間かかるとみられている。
また、強襲揚陸艦 USS Boxer (LHD‑4) には F‑35 Lightning II ステルス戦闘機や V‑22 Osprey 輸送機が搭載されており、空中突入と水陸両用作戦の両方に対応できる。
しかし、元アメリカ中央軍のカレン・ギブソン情報部長は「本当に難しいのは島を奪うことではなく、守り続けられるかどうかだ」と指摘する。
カーグ島はイラン本土に非常に近く、ほぼ完全にイラン側の攻撃圏内に入っている。米軍が島を占領した場合、その後の防衛負担は極めて大きくなる可能性がある。
専門家の中には、この作戦は大きく2段階に分かれるとみる向きもある。まず空爆で防御力を弱め、その後空挺部隊で島を制圧し、最終的に海兵隊が駐留してエネルギー施設を押さえることでイランを牽制するという構想だ。
ただし実行には大きなリスクも伴う。
米艦隊がホルムズ海峡 に進入すれば機雷や沿岸攻撃に直面する可能性があり、空中輸送を選んだ場合でも密集した防空火力にさらされる恐れがある。
さらに、周辺国が基地の使用や通過を認めるかどうかも、依然として不透明だ。
そしてもう一つの大きな不確定要素は、情勢がさらにエスカレートした場合、イランが自国の施設を破壊して対抗する可能性だ。そうなればホルムズ海峡の航行にも影響が及び、世界のエネルギー市場に大きな衝撃を与える恐れがある。
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