6月25日、オランダ・ハーグで開かれたNATO首脳会合の関連行事として、NATO(北大西洋条約機構)事務総長とインド太平洋パートナー4カ国(日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国)による会合が実施された。日本からは岩屋毅外務大臣が出席し、NATOのマルク・ルッテ事務総長、ニュージーランドのクリストファー・ラクソン首相、オーストラリアのリチャード・マールズ副首相兼国防大臣、韓国の魏聖洛国家安保室長と意見を交わした。
会合は現地時間午後3時20分(日本時間同日午後10時20分)から約30分間行われた。冒頭、岩屋外務大臣は、インド太平洋とNATOの結束を4年連続で確認できたことの意義を強調。インド太平洋と欧州・大西洋の安全保障環境は一層厳しくなっており、両地域の安全保障は切り離せないものになっていると述べた。また、力による一方的な現状変更の試みや、ロシアと北朝鮮の軍事協力、サイバー攻撃などの課題への対応、防衛産業分野での協力の重要性を指摘した。
ルッテNATO事務総長や各国代表は、北朝鮮の核・ミサイル問題や拉致問題、イラン情勢など、インド太平洋および国際的な安全保障環境について意見交換を行った。その中で、NATOのインド太平洋への関与拡大と、NATOとインド太平洋パートナー(IP4)による具体的協力の重要性が確認された。ルッテ事務総長は、ウクライナ支援に対するIP4各国の協力に謝意を示し、防衛産業分野をはじめとする連携の深化に意欲を示した。

共同声明
会合後に発出された共同声明では、NATOとインド太平洋パートナー4か国(日本、オーストラリア、ニュージーランド、韓国)は、欧州・大西洋とインド太平洋の安全保障が深く結びついていることを再確認し、対話と協力の強化に取り組むことを約束した。また、ウクライナ支援に対する感謝が表明され、両地域がより危険で予測困難な安全保障環境に直面していることを認識した。
各国は市民の安全や国際秩序の維持、繁栄した世界の実現のため、防衛費の増額や防衛産業協力の強化を進める方針を示した。特にサプライチェーンの安全、技術開発、宇宙・海洋領域、弾薬分野、新興技術などでの連携を深め、イノベーションや部隊の相互運用性向上にも取り組むとしている。
こうした協力は、予測不可能な安全保障環境の中で重要であり、現世代と将来世代の安全保障への責任を果たすため、今後も連携を強化していくことを確認した。
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。