2025年3月25日、防衛省で中谷防衛相の記者会見が行われた。会見では、台湾行政院が自衛隊のトップを務めた岩崎茂元統合幕僚長を顧問に任命した件について質問が寄せられた。中谷防衛相は、政府としての立場を明確にしつつ、慎重な姿勢を示した。
中谷防衛相は、「御指摘の報道は承知している」と述べつつ、「公職から退いた私人の活動については、防衛省・政府としてコメントする立場にはない」と語った。また、これまでにも台湾在住の日本人が行政院政務顧問に就任した事例があることに触れ、「その際も日本政府は何ら関与しておらず、就任後も特段の連絡を取っていない」と説明した。この対応は岩崎氏の場合も同様であるとした。
さらに、日本政府の台湾に対する基本的立場についても言及し、「1972年の日中共同声明を踏まえ、日台関係を非政府間の実務関係として維持する方針に何ら変更はない」と強調し、今回の件が日本政府の政策に影響を与えることはないとの見解を示した。
今回の発言は、日本と台湾、中国との関係性を慎重に管理する姿勢を反映している。日本政府は引き続き非政府間の枠組みで日台関係を維持する方針であることを確認した形だ。
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