アメリカ陸軍は、日本に先進的なミサイルシステムを配備する意向を示唆している。これは、インド太平洋地域における中国共産党(中共)の増加する軍事的脅威に対するものと見なされている。
『ニューズウィーク』の報道によると、アメリカ陸軍は日本に多領域任務部隊(MDTF)を配備・運用する意向を示した。この部隊は長距離極超音速兵器(LRHW)と中距離打撃能力(MRC)ミサイルシステムを装備している。
MDTFは中共とロシアからの広範な脅威に対応するために創設された。
日本の防衛省陸上自衛隊が3月1日にXで発表した投稿によると、森下泰臣陸上幕僚長が2月21日から28日までアメリカを訪問し、ランディ・ジョージ米陸軍参謀総長とインド太平洋地域の安全保障情勢や防衛協力について協議した。
森下将軍は米陸軍第1軍団も訪問した。これは米陸軍のインド太平洋地域における作戦本部だ。Xに投稿された写真には、訪問中に展示された2台の地上発射型ミサイルランチャーが写っていた。
1台は中距離打撃能力(MRC)地上発射システムで「タイフォン戦闘システム(以下タイフォン)」とも呼ばれている。これはMDTFの中核能力の一つで、ロッキード・マーティン社が設計し、海軍のMk41垂直発射システム(VLS)を改良して地上作戦用に適応させたものだ。
「タイフォン」はSM-6防空ミサイルとトマホーク巡航ミサイルを発射できる。昨年、米陸軍はMRCシステム1基をフィリピンに配備した。
もう1台は射程1725マイルの長距離極超音速兵器(LRHW)で「ダークイーグル」とも呼ばれている。2発の極超音速ミサイルを搭載し、時速3800マイル以上で飛行し、高い機動性を持つため、敵による探知や迎撃が困難だ。
日本はアメリカのアジアにおける重要な同盟国であり、フィリピンや台湾とともに第一列島線を形成している。この戦略的概念は中共の西太平洋における軍事拡張を抑制することを目的としている。
ハドソン研究所の上級研究員である村野将氏によると「タイフォン」と「ダークイーグル」が日本に配備されれば、地域の安全保障において重要な役割を果たすとされている。これらは日本の改良型12式対艦ミサイルや極超音速滑空弾(HVGP)と相互補完的な関係になる。
村野氏は「対艦能力を持つ巡航ミサイルは中国海軍艦艇を脅かすことができる」と述べ、極超音速ミサイルは中国の「重要な指揮中枢や通信ノード(中継点)」を威嚇したり、滑走路や格納庫内の航空機を破壊したりできると説明している。
台湾有事の初期段階では、日本の空港が中共の攻撃を受ける可能性が高く、アメリカと日本の駆逐艦は防空とミサイル防衛任務に専念することになるだろうと村野氏は解説している。
毎日新聞の昨年の報道によると、アメリカと日本は台湾緊急事態に備えた共同行動計画を策定済みだ。
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