「チャージしたお金がまだ使い切っていないのに」
「突然店が消え、支払ったお金は戻ってこないわ、メンテナンスやアフターサービスなども受けられなくなった」
ある日、気づいたらいつも利用している店が突然つぶれた、という事態が近年、中国でよく起こっている。
幼稚園からスポーツジム、美容院、自動車販売店・サービス店、飲食店までいまや閉店の波は、各業界に押し寄せており、「経営者が売上を騙して巻き上げて夜逃げ」のケースも少なくない。
消費者も給料をもらえない従業員も、気づいた時には「時すでに遅し」で、被害者たちはいくら抗議しようが、最終的には泣き寝入りするしかないのが現状である。
突然の店舗閉店があまりに相次いでいるため、北京当局に至っては、「大きな金額のチャージの際は、慎重に」と消費者に呼び掛けているほど。
「ゴッドファーザー」まで被害に
中国富豪ランキング「胡潤百富榜(フルンレポート)」の創設者で、中国の民間経済研究のゴッドファーザーと呼ばれているイギリス人の公認会計士・ルパート・フーゲワーフ氏(中国名は胡潤)の身にも被害の波が及んだようだ。
3月2日に投稿された動画のなかには、「テナント募集」のポスターが貼られたある閉店した理髪店の前に、立ち尽くす彼の姿があった。
フーゲワーフ氏は動画撮影者に対して苦々しく笑いながら、こう説明した。
「自分はこの床屋に10年以上通ってきた。2か月前に(会員カードに)チャージしたばかりだというのに、突然閉店したんだ」
「チャージしてしまったお金どう取り返せばいいのだろうか」
「ゴッドファーザー」までもが「被害者」の列に加わったニュースには、「金を巻き上げられて夜逃げされることに関してはみんな平等か」などと皮肉るコメントも目立つ。
(閉店した理髪店の前で立ち尽くすフーゲワーフ氏)
ご利用上の不明点は ヘルプセンター にお問い合わせください。