近年、日本への訪日観光客数が急増し、日本経済に大きな恩恵をもたらしている。一方で、大量の観光客により、観光地が過密状態となり、京都などの観光名所では交通渋滞や衛生環境の悪化、公共マナーの低下といった問題が顕在化している。さらに、一部の訪日中国人観光客による反日的な言動が、日本の地元住民の間で反発を招いている。
京都・岡林院での騒動——「日本は中国の一部になる」発言も
2月9日、コケ庭の名所として知られる京都の高台寺岡林院において、住職が無断撮影をしている中国人観光客を注意したところ、その観光客は指示に従わず、逆に職員に対し「もうすぐ中国の一部になるのに偉そうにしてたら消されるぞ」と脅迫するような発言をしたという。
同じ日、参道を塞いでいたワンボックス車に、「近くにコインパーキングあるのでそっちに止めてください」と促したところ、車の運転手は片言の日本語で「白タクじゃねえよ。殺すぞ」と威嚇したという。
違法な白タク増加と治安の悪化
近年、日本では訪日中国人観光客の増加に伴い、一部の中国人経営者が無許可で民泊を運営し、観光客を私用車で送迎する違法タクシー行為、「白タク」行為が問題視されている。 「白タク」とは、営業のための許可を取らず、自家用車に客を乗せる違法なタクシーのこと。とりわけ京都や空港周辺では、こうした白タクが増加しており、地元住民や正規の交通事業者との間でトラブルが頻発している。
岡林院での出来事を受け、日本のSNSでは「『殺す』という発言は明らかに脅迫にあたる。警察に通報し、厳しく対処すべきだ」との意見が多数寄せられた。また、「京都は日本の伝統文化が息づく街であり、観光客の増加によって治安が悪化しているのは由々しき問題だ。行政はまず地元住民の安全を確保し、適切な外国人観光客の受け入れ体制を整えるべきだ」との声も上がっている。
岡林院 「日本を尊重する外国人を歓迎」
岡林院は、X上で「日本を愛し、尊重する外国人観光客を歓迎する。私たちは、日本の文化、人々、言語、そしてここに存在するすべてのものを敬う方々を心から歓迎する。しかし、侵略的な行為は断じて許容できない。この世界が悪を裁くことを願っている」
観光客の増加は日本経済にとって重要な要素である一方で、訪問先の文化やルールを尊重することが求められる。京都における観光公害や治安問題への対応は、今後の重要な課題となるだろう。
岡林院は、京都市東山区に位置し、苔庭で知られる観光寺院である。高台寺で最も古い分院とされ、かつて豊臣秀吉とその正室・ねねが生活していた歴史的な場所でもある。岡林院は高台寺の北側にあり、円山公園から南下し、「ねねの道」を東に進むと、岡林院へ続く参道が現れる。その参道の突き当たりには、三体の地蔵菩薩像が祀られている。
中国人ガイド「一部の観光客のマナーの悪さが目立つ」
日本に長年住み、ガイドを務める張鵬(仮名)さんは、大紀元の取材に対し、長年の経験をもとに訪日中国人観光客の傾向について語った。
「中国の伝統文化や歴史的建造物がこれほど良い状態で保存されていることに、多くの中国人観光客は感動し、大切にしたいと考えている」
しかしその一方で、一部の訪日中国人観光客のマナーの悪さが目立つとも指摘する。
「日本に住んでいる中国人(白タクの運転手を指す)なら、日本社会に適応すべきだ。しかし、中には(中国)共産党の影響を受けた価値観を持ち、乱暴な言葉を使ったり、脅迫的な態度を取ったりする者もいる。こんなに横柄な態度を取るのは中国人だけだろう」
また、日本の観光地の多くが文化財や歴史遺産として国の保護を受けていることを強調し、こうした態度を取る観光客の背景について疑問を呈した。
「観光地で地元の人にそんな態度を取ることは、普通では考えられない。こういう人たちは何か特別な背景があるのではないか? 私は長年ツアーガイドをしているが、こうしたトラブルには何度も遭遇してきた。特に、無許可の「白タク」を運営し、自由旅行の観光客を乗せて案内するケースが非常に多く、日本の法律を無視しているのが現状だ。日本の社会に適応しようとしないなら、なぜ日本に来るのだろうか?」
さらに、中国国内の社会的な風潮にも言及し、日本との文化の違いを指摘した。
「日本は礼儀や伝統を大切にする国だ。かつて中国も『礼儀の国』と呼ばれたが、中共政権のもとで文化大革命以来、長年にわたり『闘争思想』や『憎悪教育』が浸透してしまった。その結果、多くの人が極端に自己中心的になり、周囲に対して対抗意識や攻撃的な態度を取るようになってしまった」
地元住民の声——観光客の急増がもたらす影響
訪日観光客の増加、とりわけ中国人観光客の急増による影響について、大紀元の記者が大阪で街頭インタビューを行った。
「桜の木に登って写真撮影」
大阪市の大島さんは、国際的な都市・大阪の多文化的な環境を気に入っているが、観光客の増加により衛生環境や治安の悪化を懸念している。
「以前は、外国人観光客との交流を楽しんでいた。しかし、観光客が増えすぎたことで、公共のマナーが守られなくなっている」
「ある日、桜を見に行ったとき、中国人観光客が木に登って写真を撮り始めた。『チーズ!』と言いながら、次々と他の人も登り始め、しまいには誰かが木の枝を揺らして桜の花びらを散らせていた。下の観光客はそれを見て拍手喝采していた」
「ゴミのポイ捨てが増加」——衛生環境の悪化
教育関係者の山田さんは、日本人の生活習慣との違いを指摘する。
「日本人は街中で食べ歩きをすることが少ないので、日本の街にはゴミ箱がほとんどない。しかし、一部の観光客は歩きながら食べ、ゴミを道端や人気のない場所に捨ててしまう。そのせいで、街の衛生環境が悪くなっていると感じている」
また、治安の変化についても触れた。
「以前は財布を自転車のカゴに入れたまま買い物をしても、戻ったときにはそのままだった。しかし、最近は違う。先日、スーパーで買い物をして10分ほどで戻ったら、財布がなくなっていた。観光客が増えた影響もあるのかもしれないが、以前のように安全とは言えなくなってきた」
「大声で話す中国人観光客」——飲食店でのトラブル
料理店を経営する小林さんは、中国人観光客の行動が店の営業に影響を与えていると語る。
「毎日、多くの中国人観光客が来店するが、話し声がとても大きい。他の客が食事をしているのに、大声で話してしまう。店員が『もう少し静かにお願いします』と注意しても、2分もしないうちにまた騒ぎ始める。日本人は基本的に控えめで、食事中も静かに話す。だからこそ、こうした騒がしさに耐えられず、途中で帰るお客さんもいる」
この影響で、日本人の常連客が離れ、売上にも悪影響が出ているという。
「昔から来ていたお客さんの中には、もう来なくなった人もいる。観光客のマナーの問題は、店の経営にも影響を及ぼしている」
日本橋(大阪)で買い物している女性の方は、近年、観光客増加では花見や京都に行かなくなったと話した。「自分もパリなどに行きたいと思っているので、外国人観光客が日本に期待する気持ちは理解できる」と語った。その一方で、「旅行会社などが入国時に観光客へマナーについて注意喚起してくれればよいのでは」とも述べた。
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