特殊詐欺や闇バイト強盗など「匿名・流動型犯罪グループ(トクリュウ)」に関わる犯罪で、2024年の1年間に摘発された人の数が1万105人に上ったことが3日、警察庁のまとめで分かった。
検挙された人のうち、全体の9割が実行役や受け子で9094人、主犯・指示役は1011人で1割だった。実行役は「使い捨て」にされるケースが多いことが改めて浮かび上がった。
また、全体の約4割に当たる3925人が闇バイトに応募して事件に関与していた。
罪種別で見ると、最多が口座譲渡などの犯罪収益移転防止法違反で3293人、詐欺2655人、窃盗991人、薬物事犯917人、強盗348人、風営法違反292人だった。
一方、摘発された暴力団構成員の数は8249人で過去最少となり、20年連続で減少している。
闇バイトは、トクリュウの活動手段の一つとして利用されている。高額報酬を謳い、SNSを通じて若者を犯罪に巻き込む危険な手口として認識されており、政府や警察も対策に乗り出している。
匿名性が高いため、犯罪組織の関与が見えにくい。被害者を装った強盗や詐欺行為、密輸などの犯罪行為を要求する。実行犯は一度の報酬で終わる「使い捨て」とされることが多い。
闇バイト対策を巡っては、高市早苗前経済安全保障担当相を会長に据える自民党の「治安・テロ・サイバー犯罪対策調査会」が「仮装身分捜査」の実施や、詐欺対策として架空の名義口座を利用した捜査方法などを提言しており、政府与党内で対策強化が進められている。
警察庁もSNS上で「闇バイト」への応募を促す投稿が増加していることを受け、異例の強い警告を発している。昨年11月、警察庁はX(旧ツイッター)上で「アルバイトではなく、紛れもなく犯罪行為です」「犯罪者グループは、約束の報酬を元から支払うつもりはなく、あなたは使い捨て要員です」と強い言葉で警告する文書を投稿した。
募集をかけている側に対しても、 「警察は必ず捕まえる。逃げることはできない」と強く警告した。
闇バイトに関与してしまった場合や、情報を見つけた場合は以下の窓口に相談・通報することができます。
●警察相談ダイヤル:#9110
●最寄りの警察署
●都道府県警察本部の少年相談窓口:専門知識を持つ相談員や少年補導職員が、適切な助言や指導を行っている。
●インターネット・ホットラインセンター
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