インタビュー:「目にみえる」核抑止、米新政権と早期に協議=自民・河野氏

2024/09/09
更新: 2024/09/09

[東京 9日 ロイター] – 自民党総裁選に立候補する河野太郎デジタル担当相はロイターとのインタビューで、米国の戦力で日本を防衛する拡大抑止について「(日米間で)協議していますというだけでなく、目に見える形での信頼性向上をやっていかないとならない」と述べ、来年1月に発足する米国の新政権と早期に議論を始める必要性があるとした。

米大統領選は民主党のハリス副大統領と共和党のトランプ前大統領が争う構図で、仮にトランプ氏が勝利すれば、核の傘を提供する同盟国に一段の負担を求める可能性が指摘されている。

河野氏は、大統領選の結果が核抑止の在り方も左右するとの見方を示し、「ロジカルに考えれば米国の政権が不安定になるなら、日本も核開発をして独自の核抑止を持った方がいいという意見が(国内に)出てくる」と説明。「広島、長崎(での原爆投下)を経験した日本としては、踏みとどまる必要がある」と述べ、米国と拡大抑止の効果を維持するための協議をすべきとした。

河野氏は、日本が実際に核開発に踏み切れば周辺国も核武装に動くリスクがあるほか、核燃料の輸入が認められずに「原発が止まってしまう」と指摘。原発再稼働を含む日本の電力供給にマイナスの影響を及ぼすとの考えを示した。

自民党総裁選の争点の1つとなる経済対策については、経済活性化には年収の壁の廃止など労働市場改革が必要だと主張。「どのように働くのかを(労働者が)選べる社会にしないといけない」と述べた。物価に影響を及ぼす円相場については、望ましい水準には具体的に言及せず、「以前と比べると、日本は強い円によって得られる恩恵が大きい」と話すにとどめた。

*インタビューは6日に実施しました。

(豊田祐基子、Tim Kelly  編集:久保信博)

Reuters
関連特集: 防衛