中国、ブリンケン氏の演説を全面封殺 米大使館投稿もブロック

2022/05/31
更新: 2022/05/31

ブリンケン米国務長官がバイデン政権の対中政策について演説を行った翌日、中国のインターネット上では長官の発言全文と関連投稿がすべて削除された。

駐中国米国大使館は北京時間27日夜、SNS微信(ウィーチャット)上でブリンケン氏の演説内容の中国語訳を掲載した。長官はバイデン政権が中国の政治体制を変えるつもりがなく、中国との新たな冷戦を望んでいないと述べた一方で、同盟国などとの関係を強化し、すべての分野において中国に対抗していくと強調した。

米国大使館が投稿した数時間後、微信側は検閲を開始し、投稿を閲覧できなくなった。

中国版ツイッター、微博(ウェイボー)もブリンケン長官の発言に関するコメントを削除した。発言全文のスクリーンショットや米国大使館側のリンクを貼り付けた投稿に「安全ではない」との表示が出ている。また関連話題をクリックすれば、政府系メディアが転載した中国外務省の華春瑩報道官や汪文斌報道官らの反論だけが表示される。

華春瑩氏はブリンケン氏の演説を受けて、中国国民が利用できない海外SNSツイッターに11回も英語で連投し猛反発した。その後、中国政府系メディアは微博上で華氏のツイートを中国語に訳して転載した。

仮想プライベートネットワーク(VPN)を使って中国当局の検閲を迂回してツイッターにアクセスした中国人ネットユーザーは、華氏のツイートに対し「中国語を使え!国内であなたのツイートを見れない。国内(の私たち)にも開放しろ」と憤った。

中国のネット検閲当局は3月にも米大使館の投稿を削除した。当時、ウクライナ情勢を巡って、中国政府系メディアは米国がウクライナで生物実験室を運営しているとのロシア側の主張を引用し大々的に報道した。米大使館は微博と微信を通じて報道がロシア側の虚偽情報だと反論した。

張哲
張哲