ウクライナ退避の飛行機代は32万円、中国人留学生「高すぎ」と悲鳴

2022/03/08
更新: 2022/03/08

ロシアによるウクライナ侵攻が始まって約2週間経った5日、集団退避する第1陣の中国人らはようやく帰国した。だが、飛行機代が「高額過ぎて払えない」と現地に取り残された人が悲鳴を上げ、航空会社に対して減免を求めている。

ウクライナの中国人留学生らが出したとされる「請願書」がSNSに流出した。「1万7999元(約32万円)と高額な帰国便のチケット代を払えない」「退避は国家行為であり、高額費用を請求すべきではない」と訴えていた。

中国外務省のウェイボー(微博)公式アカウント「領事直通車」によると、6日午後時点で中国に到着した退避便は4便だとしている。

1便あたりの最大定員は301人であることから、退避ができたのは1000人程度と推定される。

ウクライナには6000人の中国人が滞在しているとされている。

戦争が勃発した翌日の25日、中国大使館は、出国を希望する中国人のためにチャーター便を手配すると発表した。しかし、27日になるとチャーター便による退避方案の実施は困難とし、自力で鉄道などで国境まで行き、近隣諸国で退避を待つよう指示した。

英BBCの報道によると、3日時点でウクライナ北東部のスームィ州には約200人の中国人留学生が取り残されている。

留学生の沈鈺さんはBBCに対し、大使館の発表を受け安心していたが、その後中国大使館に連絡したところ、「迎えのバスは出せず、自力で避難するように」と伝えられたと話した。その時、すでに自力で避難できる状況ではなくなっていた。

沈さんは、「祖国と大使館を信頼しているが、大使館の対応が遅れたせいで、自力で避難するタイミングを失った」と当局の後手の対応を批判した。

(翻訳編集・李凌)