中共の脅威は「世界に対する道徳的な挑戦」=トランプ米前政権顧問マイルズ・ユー氏

2021/11/24
更新: 2024/04/22

ポンペオ米前国務長官の中国政策首席顧問を務めた余茂春マイルズ・ユー)氏は、中国共産党はその全体主義的な統治モデルを世界に輸出することを目論んでいると警鐘を鳴らした。また、その脅威を阻止する最善の方法は「強い道徳的な明晰さを持つことだ」と述べた。

余氏は、大紀元の姉妹メディア・新唐人テレビ(NTD)のインタビューで、「中国共産党が世界に突きつけている課題は、技術的、経済的、軍事的な挑戦に限らない。最も重視すべきは、道徳的な挑戦だ」と述べた。中国共産党の道徳的性質は、現代社会の道徳的基盤のすべてに反していると語った。

トランプ政権の対中政策ブレーンを務めた余氏は、中国共産党の統治モデルの核心には、宗教の自由や礼拝の自由を含む個人の基本的な権利を弾圧することにあると指摘。ウイグル人や法輪功学習者に対する迫害は、身体的な拷問だけでなく、宗教的な信念を放棄させ洗脳することを第一義に置いていると述べた。

「ソ連の共産主義が異論を物理的に排除することに重点を置いていたとすれば、中国共産党は、個人の思想や礼拝の自由を排除し、すべての人を共産主義に服従させることに重点を置いている」と述べ、「中国共産党に対抗するためには、何が問題かを理解する道徳的な明晰さが必要だ」と強調した。

中国共産党が主導する世界秩序は、多くの人々が慣れ親しんでいる自由で民主的な世界とは大きく異なる。その一つは、人々が「国家の意思に従う」ことにあると余氏は指摘する。一党独裁体制を敷く中国では「習近平思想」や、中国共産党が解釈する歴史や個人の権利について学ぶことが強制される。習近平国家主席は自身の名前がついた思想を憲法に盛り込み、小学校から必修科目となった。

また、中国共産党による厳しい情報・言論統制、国民への監視強化、人権弾圧により、国民が真実を目にすることも容易ではない。余氏は「中国共産党の最大の功績は14億人の中国人を奴隷にしていることだ」と述べ、国民に対して「幸せな生活送っている」と洗脳を強化していると非難した。

余氏は、中国共産党が世界に突きつけている課題は「専制と自由の戦い」だとしつつ、同党を脅威だと認識している米国の指導者がいれば、米国は乗り越えることができると締めくくった。

米政府は1月、中国共産党政権によるウイグル弾圧を「ジェノサイド」と認定した。100万人以上のウイグル人が強制収容所に送りこまれ、拷問やレイプ、強制中絶に加え「再教育」という名の洗脳が行われている。

法輪功学習者に対する暴虐な弾圧も22年間続いている。法輪大法情報センターによると、いまだ数百万人が刑務所や強制労働収容所に収容され、性的暴行や灌食(強制摂食)などの拷問に日常的にさらされている。中国共産党の迫害によって命を落とした法輪功学習者は4000人以上と記録されているが、正確な数を算定することができないため、氷山の一角に過ぎない。

米国をはじめ国際関係担当。