米アイオワ州、トランスジェンダーの参加禁止 女子運動競技で 「不公平だ」

2022/03/08
更新: 2022/03/08

米アイオワ州のキム・レイノルズ知事は3日、トランスジェンダーの選手が女子運動競技に参加することを禁止する法案に署名した。競技の公平性と安全性を確保するためと強調した。同法は即日施行される。

法案は、学内競技に参加する公立・私立の幼稚園から大学生のアスリートに対し、出生証明書に記載されている生物学的性別に沿ったチームでプレーすることを義務付ける。上院は2日、31対17で法案を可決していた。

レイノルズ氏は「どんなに才能があり、努力したとしても、身体能力に関して女性が男性より優れることはない。女性に男性との競争を強いることは不公平だ」と法案承認の理由を述べた。

同様の法案はアイダホ州やテネシー州、テキサス州など複数の州で可決されている。

米国ではトランスジェンダー選手の女子運動競技への参加をめぐって、論争が巻き起こっている。昨年12月には、30年間に渡り米国の水泳協会で役員を勤めてきたシンシア・ミレン氏が「生物学的な男性が女性と競争するスポーツを支持することはできない」とし、辞職した。

いっぽうLGBTQの権利を守る団体「ワン・アイオワ・アクション」のアンガス・レイモンド理事長は「多数の医療・精神衛生の専門家がこのような動きが如何に害をもたらすか証言している」と述べ、法案成立に異議を唱えた。

先月行われたアイビーリーグ競泳女子選手権では、ペンシルベニア大学に通うトランスジェンダーのリア・トーマス選手が500ヤードなど数種目で優勝。また50ヤード自由形でも、トランスジェンダーのアイザック・ヘニグ選手が優勝した。

米国をはじめ国際関係担当。
関連特集: 社会問題