米民間天気予測大手アキュー・ウェザーによると、ハリケーン・ハービーは、自然災害がもたらす経済被害額として米国史上最悪となる1600億ドル(約17.6兆円)と推計した。この額は米国国民総生産の0.8%に相当する。
過去の大型ハリケーンによる保険金支払額は、2005年のカトリーナが約800億ドル、2012年のサンディは360億ドルだった。
アキュー・ウェザー代表ジョエル・マイヤーズ氏はUSAトゥディの取材に応え「ヒューストンの一部は、水害、カビ、病気の蔓延、そして壊滅的な洪水により、数週間、おそらく数ヶ月間は居住困難な地域となる」と語った。
ハリケーンから熱帯低気圧に変化した「ハービー」は8月下旬、テキサス州やルイジアナ州に壊滅的で生命に影響をもたらす洪水、鉄砲水、道路の冠水をもたらした。テキサス州アボット知事は会見で、30日までに少なくとも21人が死亡し、約3万2000人が避難していると述べた。
米国第4の都市ヒューストンでは、ハービーが襲来した期間中に米史上最大となる1300ミリ以上の降雨を観測した。米紙ニューヨーク・タイムスによると、ヒューストン市では3割が浸水し、停電も続いている。貯水池の堤防が相次ぎ決壊し、幹線道路が冠水した。交通困難となり、住民の避難や救助活動が難航している。
現地警察によると、被災した一部地域では不在住宅を狙った略奪行為が発生している。ヒューストン市は29日、午前0時から午前5時までの間、夜間外出禁止令を発令した。
ハービーは25日にテキサス州南部に上陸し、停滞したのち、30日朝に隣のルイジアナ州に再上陸した。米国東部を北東に縦断するとみられ、被害が広範囲にわたる可能性がある。
(編集・甲斐天海)
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