<政権樹立60周年>教授の解放を求め、北京大学学生らが抗議デモ

2009/09/21
更新: 2009/09/21

【大紀元日本9月21日】中国の名門大学・北京大学の学生約100人が2日連続で、北京市海淀区公安支局前に集まり、当局に拘束された北京大学教授、丁小平氏の解放を求めた。数人の学生が警察に殴打された。丁氏はかつて天安門事件当時、北京大学生徒会のメンバーとして活動に参加していた。規模は小さいものの、共産党中国政権樹立60周年の敏感時期の今、89年の天安門学生民主運動以来初めての学生による民主抗議事件として注目されている。

共産党中国政権樹立60周年を前にして、当局は直訴者や異見者に対して、拘束、北京からの追放などの制御行動をエスカレートさせている。これに不満を募らせた人々が抗議をし始めた。AP通信社によると、約100人の北京大学学生が20日から2日連続で、北京市海淀区公安支局前で、同大学教授丁小平氏が当局に拘束されたことに抗議を行った。丁氏は法律に反することは一際していないことから、解放を求めた。5、6人の学生が警察に殴られ、軽いけがを負ったという。

学生らは、中国当局は10月1日の祝典を前に、丁氏を拘束したものとみている。

丁小平氏(47)は東北出身で、佳木斯(ジャムス)農業機械学院(現・佳木斯大学)を卒業後、1986年清華大学工程力学部に入学、88年北京大学力学部大学院に移って研究活動を始めた。1989年の天安門事件において学生運動の組織者の1人でもあった丁氏は、事件後逮捕され、1991年1月に解放された。それ以降、丁氏は中国当局から異見者とみなされ、敏感な時期になる度に、公安国保の嫌がらせなどを受けていたという。

天安門事件当時、戒厳解放軍の暴力を受け障害者となった人権活動家・斉志勇氏、リーダーだった李海氏も数日前から消息がわからなくなっている。関係者は、彼らは中国当局に北京から離れた場所へ連行されたとみている。

中国の政治情勢に詳しい専門家は、当局が必死に成功させようとする政権設立60周年記念の前に起きた大学生による抗議事件を、当局の政権に危機を与える事件とみている。天安門学生民主運動が発生した1989年と比べ、現在の政治情勢は極めて複雑であり、軍隊、党内とも全体をまとめる力のある人物がいないため、学生の抗議事件が一旦民主運動に発展した場合、党内と軍隊の分裂が随時に発生する可能性があるという。

(翻訳編集・余靜)