台風12号の豪雨に加え、複数のダムの放流も重なり、7月27日、中国・広東省の各地で大規模な洪水が発生した。住宅街や商店街は濁流にのみ込まれ、場所によっては浸水が2メートルを超えた。
ネット上に投稿した動画には、住民が屋根や2階へ避難して救助を待つ様子や、住宅や商店の1階が完全に水没し、車や家財が濁流に流される様子が映っている。
子供がベッドごと強風に飛ばされたという情報や、急流に車ごと流され死亡したとの情報もネット上で広がっている。一方、当局は被害総額や詳しい死傷者数を公表しておらず、被害の全容はなお明らかになっていない。

中でも梅州市では、雨量はそれほど多くなかったにもかかわらず、複数の村や町が一気に冠水した。道路は川のようになり、住宅や商店の1階、車、農地まで次々と水没。住民の間では「なぜここまで浸水したのか」という疑問が広がった。
その矛先が向けられているのが、上流のダム放流だ。
恵州市や梅州市周辺では複数のダムや水力発電所が放流を実施。本紙姉妹メディアのNTD新唐人テレビの取材に対し、住民は「台風の夜は浸水していなかったのに、朝になって30分ほどで町全体が水没した」「放流の事前通知はなく、水が一気に押し寄せた」「逃げる時間さえなかった」と訴えている。
SNSには「これは天災ではなく人災だ」「もっと早く計画的に放流していれば被害は防げたはずだ」と行政を批判する投稿が相次いだ。
中国では大規模な洪水が起きるたびに、「予告のないダム放流だった」と訴える住民の声が繰り返される。同じような訴えが毎年のように繰り返される現実は、この悲劇をなぜ繰り返すのかという重い問いを投げかけている。

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