2026年1〜8月、中国の国有土地使用権の譲渡収入は1兆3753億元となり、前年同期比28.6%減少した。土地譲渡金の落ち込みが続くなか、専門家からは、中国の「土地財政」が「歴史的使命を終える」との見方も出ている。
中国共産党(中共)財政省は9月18日、「2026年1〜8月財政収支状況」を公表した。それによると、今年1〜8月の国有土地使用権の譲渡収入は前年同期比28.6%減となった。
「経済観察報」が9月27日に報じたところによると、財政省が今年1月末に公表した2025年通年のデータでは、土地譲渡金は前年比14.7%減で、2024年の16%減から下げ幅が縮小していた。当時、多くの市場機関は、2026年には減少幅がさらに縮小すると予想していた。
しかし、8か月が経過した時点で、減少幅は前年通年のほぼ2倍に拡大した。
中国東部のある県の財政局の責任者は「経済観察報」に対し、今年、土地譲渡金が減り続けている主な理由として2点を挙げた。
一つは、国有企業による土地取得が関係当局からこれまで以上に厳しい制約や監督を受けるようになったことだ。もう一つは制度面の変化である。
今年3月5日、自然資源部と国家林業草原局は「自然資源要素の保障をさらに強化することに関する通知」を共同で発表し、新規建設用地について新たな制約や要件を設けた。
当時、複数の県や区の財政担当者や専門家からは、土地財政が根本的な転換期を迎えるとの見方が出ていた。
遼寧大学地方財政研究院の王振宇院長は、中国は既存住宅が中心となる時代に入ったと指摘する。そのうえで、拡大・成長局面の産物である土地財政も、限界収益の低下に直面するのは避けられないとの見方を示した。
土地財政は一般に、地方政府の財政収入が「国有土地使用権譲渡収入」を含んだ土地関連費用と土地・不動産関連税収に依存する状況を指す。中国では、この収入が地方政府性基金予算収入の大部分を占めている。
報道によると、2025年には国有土地使用権の譲渡収入が地方政府性基金予算収入の77.6%を占めた。
土地市場の低迷は税収にも波及している。
今年1〜8月の契税収入は2585億元で、前年同期比14.2%減少した。土地増値税(地価の増加に対して課す税金)も2562億元で、13.6%減となった。
不動産開発企業による土地取得が減る一方、新築住宅の販売や不動産開発案件の精算も鈍化している。これに伴い、住宅取引にかかわる契税(不動産取得時に課される税)や土地増値税などの課税基盤も縮小しており、土地取得から住宅販売に至る資金回収の流れが各段階で細っている。
中共財政省のデータによると、中国の国有土地使用権の譲渡収入は2020年に8.4兆元でピークに達した。その後は4年連続で前年を下回った。2025年の同収入はピーク時から約4.3兆元減少し、半分以上落ち込んだ。2026年も減少傾向が続いている。
王振宇氏は、全国の地方政府の国有土地収入が短期的に「回復」する兆しは見えにくいと指摘する。今年1~8月の推移も、土地財政が「歴史的使命を終える」可能性があるとの見方をさらに裏付けたとしている。
土地譲渡金の減少は、地方政府の債務返済能力にも直接影響する。
報道によると、地方政府の債務の多くは土地譲渡金を返済原資としており、収入の減少は元本返済や利払いの負担を直接押し上げる。なかでも影響が大きいのが、地方政府の専項債の返済能力だ。
2019年12月、当時財政省予算司巡視員だった王克冰は、地方債市場の整備と発展に関するシンポジウムで、専項債(インフラ債)の返済原資は比較的単一で、土地譲渡金への依存度が高いと指摘していた。
前述の県財政局の責任者は、今年の土地譲渡金が大幅に落ち込むなか、地方政府の債務比率をどのように安定させるのかについて、強い不安を示している。
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